迷える子羊よ、入りなさい 「ひょうきん族の神様」は歌舞伎町にいた

毎日新聞 2025/3/22 11:00(最終更新 3/22 11:24) 有料記事 1821文字
元フジテレビプロデューサー横澤彪さんの葬儀に「ひょうきん懺悔室」の衣装で参列したブッチー武者さん=東京都大田区の池上本門寺で2011年1月14日、鈴木梢撮影

 「神様」は今どうしているのだろう。

 1980年代に人気を博したバラエティー番組「オレたちひょうきん族」(フジテレビ)でブレークしたあの人物の今が、ふと気になった。

 その姿は東京・歌舞伎町にあった。そして、お笑いとは一線を画す意外な活動を展開していた。【杉田寿子】

  <主な内容> ・本気だった「○」と「×」 ・「全員集合」しのいだ人気 ・日枝氏「ざんげ」の舞台裏

 ・明日からもう一度やり直すぞ

本気だった「○」と「×」

 「罪深き、迷える子羊よ、入りなさい」

 爆発的な人気を誇った「ひょうきん族」の最後を飾るコーナーが「ひょうきん懺悔(ざんげ)室」だった。

 その日にNGを出した出演者が招き入れられ、神様に向けて釈明する。神様が審判を下し、両手で「○(マル)」を作れば紙吹雪が、「×(バツ)」ならば水が出演者にかけられる――という趣向だった。

 「大物芸能人でも、そんたくなしに僕がマルかバツか決めていた。本気でやっていたから視聴率が良かったのかな」。神様を演じていたブッチー武者さん(72)は懐かしむ。

 今は芸能プロダクション「BMCエンタープライズ」の代表を務め、その業務の一環としてスナック「女無BAR(メンバー)」を新宿区歌舞伎町で経営している。

 店は今年で27周年。ひょうきん族ファンや芸能人が、夜な夜な足を運ぶ店内はにぎやかだ。

「全員集合」しのいだ人気

 懺悔室は「ひょうきん族」の目玉コーナーだった。

 TBS系列の裏番組「8時だョ!全員集合」を見ていても、終盤には「ひょうきん懺悔室」を見ようとチャンネルを変える視聴者が多かったとされる。

 ブッチーさんは「『ひょうきん族』全体の平均視聴率が26~27%でも、『ひょうきん懺悔室』の視聴率は30%を超えることもあった」と誇らしげに振り返る。

 当時、フジテレビの社屋はお台場(東京都港区)への移転前で、新宿区河田町にあった。

 懺悔室の収録は深夜0時に始まるのが常。収録が…

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