ベテラン投資家の注目銘柄 リサイクル関連や隠れ防衛関連が面白い

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スゴ腕投資家たちに投資の話題について勝手気ままに対談してもらうこの企画。前号に登場したスゴ腕に新たな投資家を紹介してもらい、リレー形式でつないでいく。今回はkenmoさんとDAIBOUCHOUさん(共にハンドルネーム)に、日経平均株価が最高値を更新した局面での注目株、防衛装備品の輸出規制の緩和による影響などを聞いた。(取材は5月上旬時点)

――決算発表ラッシュが始まりましたが、日経平均株価は5月7日に6万2833円を付けて史上最高値を更新しました(編集部注・5月29日には6万6329円でさらに更新)。

DAIBOUCHOUさん 日経平均株価が上がったから資産も増えていると思いきや、全くそんなことないんです。TOPIX(東証株価指数)は日経平均ほどは上がっていないですし、相場をけん引しているのは人工知能(AI)・半導体関連株などの一部の大型株です。日本株市場全体を見ると軟調な値動きの銘柄もたくさんありますし、特に私がよく売買している小型の割安成長株は下落する一方です。

kenmoさん 3月には情報通信企業やコンサルティング企業の株を逆張りで買いました。米AI開発新興のアンソロピックの新技術公開をきっかけに情報通信株が急落したアンソロピック・ショックが3月には一段落し、株価が底打ちしたように見えたからです。

その後は米国によるイランへの攻撃の影響で下落していたAI・半導体関連株が反騰し始めたので、古河電気工業キオクシアなどを買いました。うまく立ち回れたと思ったのですが、4月に入ってからはAI・半導体関連株が上がると、情報通信株やコンサル株がまた売られる展開に。銘柄選定の難しさを実感する日々です。

DAIBOUCHOUさん 相場を読むのが難しいですね。私の場合は韓国のSKスクエアが買った後に株価上昇しました。この企業は投資会社で、韓国半導体大手のSKハイニックスの株式の約2割を保有しています。このSKハイニックスの業績が絶好調なので、SKスクエアの株価もかなり上がったのですが、それでも小型株の下落分は補えていないですね。

――AI・半導体関連株以外に狙えそうなセクターや投資テーマはないのでしょうか。

DAIBOUCHOUさん 私が買っていたのは太陽光発電の開発を手掛けているウエストホールディングスなどですね。この企業は蓄電池も展開していることがポイントです。イラン情勢による原油不足が引き続き懸念される中、再生可能エネルギーの重要度が増しています。ただ、太陽光発電は時間帯や天候によって発電量が不安定なことが欠点。そこで、つくった電気をためておける蓄電池の需要も拡大中というわけです。

後は廃油を回収して再生油を製造するダイセキも保有しています。資源を再利用するビジネスは注目されていて、再生素材メーカーのリファインバースグループも3月以降に急騰していました。

kenmoさん 私が最近、ちょっと面白い動きだなと思ったのが、英語コーチングサービスを提供しているプログリットです。26年8月期の第2四半期決算の発表と同時に、企業価値向上を理由に経営陣が会社から借金する形で、2億円を上限にプログリット株を取得すると発表しました。アンソロピック・ショック以降、株価が下げ止まらないという状況に業を煮やして、経営陣が株価に課題感を持っているという姿勢を示したのだと思います。実際に株価は上昇しました。

その後、プログリットの場合は1週間程度で株価上昇が止まり、再び下落トレンドに戻ってしまいました。ただ、株価に対して課題感を持っている中小型の高成長企業が多いのは事実です。今後は決算発表のタイミングなどで、自社株買いの実施を発表する中小型株が増えてくるかもしれません。

――4月21日には政府が殺傷能力のある防衛装備品の輸出に制限を課す「5類型」の撤廃を決めました。防衛産業にとっては海外展開などで販路を広げるチャンスになりそうです。

DAIBOUCHOUさん 米国はイランへの攻撃によって武器の備蓄が減少しているようです。さらに、イラン情勢を見て地政学リスクを不安に思って防衛力を強化しようと考えた国も多いはず。なので、需要はありそうですよね。

輸出の恩恵を受けるとなると、三菱重工業IHIなどの重工大手が中心になると思います。既に株価が何倍にもなった銘柄ですが、業績にちゃんと反映されれば、株価はまだ上がると思います。バリュー(割安)株への投資が中心の私には、残念ながら恩恵がないのですが……。

kenmoさん 防衛関連で言うと多摩川ホールディングスが3月に急騰しました。きっかけは26年10月期の第1四半期の売上高が前年同期比85%増、純利益が同11倍弱と業績が急拡大したことです。実は子会社の多摩川電子がレーダーや無線通信機器を手掛けており、防衛省と思われる官公庁からの大幅な受注増が業績を押し上げていたのです。まさに隠れ防衛株ですね。

今後、防衛予算のさらなる増加も見込まれますし、多摩川ホールディングスのような隠れ防衛関連株が決算発表のタイミングで注目される機会が増えそうです。

(田中創太)

[日経マネー2026年7月号の記事を再構成]

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