「自分でもビックリ」2連続イーグル 渋野日向子が今季ベスト“65”で急浮上
◇米国女子◇ブラックデザート選手権 2日目(2日)◇ブラックデザート・リゾートGC(ユタ州)◇6629yd(パー72)
渋野日向子がイーグルを1ラウンドで2つ、しかも立て続けに奪ってリーダーボードを駆け上がった。2アンダーの42位から、4つのパー5で5ストローク伸ばして今季ベストスコア「65」をマーク。通算9アンダーで首位に肉薄した。
スコアを1つ落として迎えた前半13番(パー5)、フェアウェイ中央から4UTで放った2打目は狙いよりも少し右に飛び出し、ピンに向かった。グリーン周辺の傾斜にも助けられスロープを伝ってピンそば30cmにピタリ。パターを片手に自ら旗竿を抜き、キャディに渡して“お先”のイーグルに「すごくラッキー」と満面の笑みで歓声にこたえた。
これで終わらない。右ドッグレッグの14番はこの日、325yd設定の短いパー4。3Wでフェアウェイ左サイドをとらえてから、残り77yd、目線よりも高いグリーンに向けてロフト58度のウェッジを振る。ボールはピン奥3mに落ちてバックスピン。ピンそば1mにあった同組選手の球の脇を抜けてカップに滑り込んだ。瞬間を目視できなかった渋野は、周囲の反応を見てキョトン。人差し指を地面に向け「入った?」と言わんばかりの仕草を繰り返した。
「自分でもビックリした」という2連続イーグルの直前、12番ではトラブルに見舞われていた。右サイドに曲げた1Wショットの行方を見失い、捜索した末に、隣のホールのフェアウェイをまたいだ池のふちで発見。1罰打を加えて3オン2パット。後退を最小限にとどめたとはいえ、ボギーが先行しただけに続く2ホールは起死回生だった。
本人も驚く離れ業の後、2m強を外した後半1番をボギーとしても、勢いはキープされたまま。4番で8mのバーディパットを沈め、2打目をピンそば1mにつけた6番から2連続バーディを決めた。「100yd前後のショットをしっかり打ち切れた。これを継続しないと上位ではなかなか戦えない」。最終9番(パー5)の3打目もウェッジでピン奥1mにつけてバーディフィニッシュ。週末に優勝争いできるポジションに自らを押し上げた。
午後5時過ぎにプレーを終えた前日は、この日の午前7時過ぎのスタートに備えるため、練習よりも体力回復を優先してすぐに宿舎へ。スイングのタイミングに苦戦したが、「『寝れば直る』と思っちゃう。(調子は)本当に日替わり、“ホール替わり”というか、一打で変わっちゃうようなタイプなんで、『忘れて寝よう』みたいに」と午後9時には床に就いた。
新規大会である今週の会場は、ほぼ全員にとって初体験のコース。ドッグレッグが多く、ショットのターゲットを見定めにくい。渋野も自身との相性については首をひねる。「自分に合っているとは思わない。練習ラウンドのときから『無理なんだけど』と言っていた」。それでも「経験上、難しいところほど集中できるというのはある。US(全米女子)オープンやKPMG(全米女子プロ)なんかはそういうイメージ」。それぞれの大会では昨年、2位と7位という好成績を出したのも忘れてはならない。(ユタ州アイビンス/桂川洋一)
2025年 ブラックデザート選手権 2日目 渋野日向子 ハイライト
この動画は日本国内のみで視聴が可能です。US