メローニ伊首相、ポルノサイトに「憤慨」 自身や他の著名女性の加工画像掲載か
メローニ伊首相が自身の加工画像を掲載したとされるポルノサイトを非難/John Thys/AFP/Getty Images
ローマ(CNN) イタリアのメローニ首相は、自身や他の著名女性の加工画像に性差別的かつ不快なキャプションやコメントが添えられていたとされるポルノサイトに対し、激しい憤りを表明した。
当該のサイトは広範な反発を受け、28日に管理者自身によって閉鎖された。閉鎖時点での登録者数は数十万人。同サイトは、ユーザーによる規約違反を非難した。
このアダルトフォーラムの登録者は、ソーシャルメディアや公開されている情報源から女性の画像を入手し、加工して女性蔑視的な描写とともに投稿していたとされる。
このサイトにはメローニ氏に加え、イタリアの同胞党の有力政治家である姉のアリアナ氏や、他のイタリアの著名人、政治家の写真も掲載されていたとみられる。
「今回の出来事に憤慨している。このフォーラムの管理者や利用者から侮辱され、傷つけられ、侵害されたすべての女性に、連帯と支援を表明したい」と、メローニ氏はイタリアのコリエレ・デラ・セラ紙に語った。
さらに、「2025年という時代にも、匿名性やキーボードの裏に隠れて女性の尊厳を踏みにじり、性差別的で下品な侮辱を浴びせることを正常かつ合法だと考えている人がいることに心を痛めている」と言い添えた。
イタリアの現行のリベンジポルノ法を念頭に、メローニ氏は「もはや単なる『復讐(ふくしゅう)』のためにこのような行為が行われることはなく、私たちのデータとプライバシーを守ることが現代においてますます重要になっている」と述べた。
イタリアには19年に可決された「リベンジポルノ」法があり、「性的に露骨な画像の違法な配布」は最長6年の懲役刑に処せられる。
姉のアリアナ氏もコリエレ・デラ・セラ紙の取材に対し、「クリックスルー社会の悪癖。私たちは私生活に踏み込み、人を不快にさせ、鍵穴から覗(のぞ)き込み、人生を台無しにしている。女性が日々仕事を通して成し遂げ、勝ち取っている真に重要なことを軽視している」と非難した。
メロー二氏は23年、過去の性差別的な発言が発覚した長年のパートナーと別れている。ディープフェイクポルノや家庭内暴力といった女性問題については、これまでも声を上げてきた。
24年には、自身のディープフェイク動画を作成したとして告発された父子を提訴した。民事裁判で10万8200ドル(約1590万円)の損害賠償を求めており、勝訴した場合の賠償金は暴力被害を受けた女性を支援する国の基金に全額寄付することを約束している。両被告は無罪を主張している。次回の公判は9月に予定されている。
ディープフェイクとは、デジタル技術で作成・改変されたコンテンツであり、実在の人物と全く同じ姿を再現できる。加工された画像にはオリジナルの要素が含まれる場合もあるが、現実を歪めるような編集が施される。