CDCサイトで主要な情報やデータ閲覧できず-HIVに関する資料も

米疾病対策センター(CDC)のウェブサイトで、主要な情報やデータセットが閲覧できなくなった。疫学者など科学者や一般市民からは懸念の声も上がっている。

  CDCのエイズウイルス(HIV)データで最初にアクセスするランディングページを訪れようとしたが、1月31日夕時点で「お探しのページは見つかりませんでした」と表示された。社会的脆弱(ぜいじゃく)性指数(SVI)や環境正義指数(EJI)として知られる格差や、LGBTQの若者に関する情報もアクセスできなくなっていた。

  一部の科学者や市民はここ数日、削除を巡る懸念から、さまざまなデータセットのダウンロードや保存、アーカイブ化を急いでいた。

  米国感染症学会(IDSA)は先月31日の声明で、「CDCや他の保健機関のウェブサイトからHIVやLGBTQ関連のリソースが削除されたことは深く憂慮すべきであり、疾病の拡大をモニターし、それに対応するための科学的情報とデータに危険なギャップが生じる」と指摘した。

  「CDCからのタイムリーで正確な情報は、臨床や政策の指針であり、感染症のコントロールと健康の保護に不可欠だ」との認識も示した。

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  人事管理局(OPM)のエゼル局長代行は、トランプ大統領が署名した「ジェンダー・イデオロギーの過激主義から女性を守り、連邦政府に生物学的事実を取り戻す」との大統領令を順守するよう政府機関に指示。文書で、「ジェンダー・イデオロギーを教え込んだり、促進したりするような対外メディア(ウェブサイトやソーシャルメディア・アカウントなど)を全て削除する」よう各機関に求めた。

  OPMの報道官を務めるマクローリン・ピノバー氏は、今回のガイダンスについて、順守できない政府ウェブサイトを閉鎖するという意味に誤解された可能性があると説明。OPMとしてはトランプ氏の大統領令を実行するためにサイトを閉鎖する計画はないとも述べた。

  国勢調査局を含む他の政府ウェブページは、1月31日に一時的にアクセスできなくなったが、その後オンラインに戻った。性的指向や性自認に関する国勢調査サイトの一部は、同日遅くになってもアクセスできないままだった。

原題:CDC Information, Datasets Disappear From Agency’s Websites (1)(抜粋)

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