NY市場サマリー(14日)ドルが対ユーロで上昇、米株まちまち 利回り上昇

<為替> ニューヨーク外為市場ではドルがユーロに対して上昇したほか、円に対しておおむね横ばいで推移した。市場では米株式相場の動向のほか、米連邦政府機関の一部閉鎖がようやく終了したことで今後予想される大量の経済指標の発表で、連邦準備理事会(FRB)の金融政策運営がどのように影響を受けるか引き続き注目されている。

DRWトレーディング(シカゴ)のストラテジスト、ルー・ブライエン氏は、経済指標の発表が滞ったことに加え、FRB当局者の一連の発言にそれぞれ反応が出ていることで、市場の動きはちぐはぐになっていると指摘。米経済指標の公表が再開されることで、このところ低下していた市場のボラティリティが再び高まる可能性があるとの見方が出ている。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.07%高の99.31。

ユーロ/ドルは0.12%安の1.1617ドル。ドル/円は0.02%安の154.52円。

英国のリーブス財務相が月内に発表する予算案で所得税率引き上げ方針は示さないと関係筋の話で明らかになったことで、英ポンドは急落。終盤の取引で英ポンドは対ドルで0.24%安の1.3158ドル。英ポンドは対ユーロで2023年4月以来の安値を付けた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.41%安の9万5433ドルと、5月以来の安値を付けた。

NY外為市場:

米株式市場は前日の取引で、エヌビディアなど人工知能(AI)関連株が売り込まれたことで急落。市場ではここ数日、米株高をけん引してきた大型AI関連銘柄の割高感を巡る懸念が相場の重しになっていたが、この日の取引でエヌビディア、マイクロソフト(MSFT.O), opens new tabのほか、データ解析企業パランティア・テクノロジーズ(PLTR.O), opens new tabは軒並み1%を超えて上昇した。
S&P500の11セクターのうち7セクターが下落。素材(.SPLRCM), opens new tabが1.18%、金融(.SPSY), opens new tabが0.97%、それぞれ下落した。
個別銘柄では、医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ(UNH.N), opens new tabが3.2%安。クレジットカード大手のビザ(V.N), opens new tabが1.8%安。共にダウ工業株30種の押し下げ要因になった。

S&P500では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.7対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は201億株。直近20営業日の平均は202億株。

米国株式市場:

<債券> 国債利回りが上昇した。ここ数日の株安で強まっていたリスク回避が後退し、投資家は12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測を引き続き後退させた。 序盤の市場では安全資産志向が強まったが、週末であることや、政府閉鎖明けとなる来週の経済指標ラッシュを前に、株式などリスク資産の売りは午後にかけて和らいだ。 午後の取引では、指標10年債利回りが3.5ベーシスポイント(bp)上昇の4.146%。週間では5.5bp上昇した。 この日は、12月の利下げに慎重な姿勢を示す米連邦準備理事会(FRB)当局者の発言も相次いだ。 カンザスシティー地区連銀のシュミッド総裁やダラス地区連銀のローガン総裁が、12月のFOMCでの利下げに反対する姿勢を示した。 フェデラルファンド(FF)金利先物市場は現在、12月の利下げ確率を約40%と織り込んでいる。今月初めの約90%、今週初めの60%強から低下した。 2年債利回りは2.1bp上昇の3.568%。週間では5.4bp上昇した。 2年債と10年債の利回り格差は前日終盤の52.6bpから53.2bpへ拡大した。 30年債利回りも4.4bp上昇の4.746%となった。

米金融・債券市場:

<金先物> FRBによる追加利下げ観測が後退する中、売りが加 速し、大幅続落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比100.30 ドル(2.39%)安の1オンス=4094.20ドル。週間では84.40ドル(2. 10%)上伸した。

NY貴金属:

<米原油先物> 供給不安が高まる中で買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物は前日清算値(終値に相当)比1.40ドル(2.39%)高の1バレル=60.0 9ドル。週間では0.57%高だった。1月物は1.31ドル高の59.95ドル。

NYMEXエネルギー:

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