トランプ氏「グリーンランドは安保上必要」、NATO事務総長に表明
[ワシントン 13日 ロイター] - トランプ米大統領は13日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長に対し、国際安全保障を強化するために米国がデンマークの自治領グリーンランドを支配する必要があるとの認識を改めて示した。
トランプ大統領はこの日、ルッテ事務総長とホワイトハウスで会談。グリーンランドの獲得は単なる安全保障ではなく、国際的な安全保障のために必要だと主張した。
併合の可能性に関する質問に「それは起こると思う」と答えた。
これに対し、グリーンランド自治政府のムテ・エーエデ首相はフェイスブックに「トランプ大統領がグリーンランド併合の考えを再び表明した」とした上で、「もうたくさんだ」と投稿した。
トランプ氏は1月20日の就任以来、グリーンランドの獲得に対する関心を示している。同氏のこの日の発言は、グリーンランド獲得に絡みNATOの関与を望む思惑も示唆された。
グリーンランドで11日実施された議会選挙で第1党となった企業寄りの野党デモクラティット党のニールセン党首も、トランプ氏の発言に反発。「トランプ大統領の発言は不適切であり、このような状況ではわれわれが団結しなければならないことを改めて示している」とフェイスブックに投稿した。
NATOとワシントンのデンマーク大使館は現時点でコメント要請に応じていない。
世論調査では、グリーンランドの人々の大半は米国への併合に反対しているが、デンマークからの最終的な独立を支持している。
ルッテ氏は、グリーンランドの将来については他の国々に任せたいとし、議論に「NATOを巻き込みたくない」と発言。この問題は「北極圏」の国々の議題であるべきだと述べ、中国とロシアが同地域の航路を利用しているためだとした。
トランプ氏はデンマークがこの件について議論することを拒否しているとし、グリーンランドの米軍基地強化に向け兵士を増派する可能性があると述べた。
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