NY外為市場=円と英ポンドに売り、財政懸念背景

ニューヨーク外為市場では、財政懸念を背景に円と英ポンドが売られ、ドルは一部の通貨に対し持ち直した。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 2日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、財政懸念を背景に円と英ポンドが売られ、ドルは一部の通貨に対し持ち直した。市場ではドル相場の今後の方向性を見極めようと、米労働省が5日に発表する8月の雇用統計が注目されている。

ドル/円は一時0.84%高の148.40円に上昇。8月1日以来の高値を付けた。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のシニア外為アナリスト、リー・ハードマン氏は、政治的な不確実性が高まっていることが引き続き重しになる公算が大きいと指摘。 日銀の氷見野良三副総裁がタカ派的な政策シグナルを示さなかったことで、投機筋が円のショートポジションを再び積み上げる可能性があるとの見方を示した。
英ポンドは終盤の取引で1.24%安の1.3375ドル。一時3週半ぶりの安値に下落した。大規模な借り入れへの懸念を背景に英30年債利回り<GB30YT=RR, opens new tabはこの日の取引で一時5.697%と、1998年5月以来の水準に上昇。MUFGのハードマン氏は英ポンドの下落について「予算発表が近づくにつれて財政状況への懸念が強まっていることを反映している」と指摘。この日のドルの上昇についてUBS(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリャコフ氏は「米国外のネガティブな動き」が主な要因だったとしている。
この日発表の米経済指標では、米供給管理協会(ISM)の8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が48.7と、前月の48.0から小幅に上昇。ただ、5日発表の雇用統計が注目される中、ドル相場にはほとんど影響はなかった。UBSのセレブリャコフ氏は、8月の雇用統計で向こう数週間にわたるドル相場の方向性が決まる可能性が高いとの見方を示している。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.74%高の98.37。ユーロは0.61%安の1.1637ドル。

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