「被害ないのに…」相次ぐ宿泊キャンセル 地震で足遠のく外国人
熊本地震は28日に発生1カ月を迎えるが、各地で復旧が進みつつある中、観光産業は苦境が続いている。
被害が無かった他の九州各地域でも旅行客が減少し、現在も宿泊予約の取り消しが相次ぐ。
政府による観光支援策が今後本格化する一方、九州の観光消費の一端を支えていたインバウンド(訪日外国人)の本格回復は見通せず、関係者は一刻も早い正常化を願う。
例年のほぼ半分
九州のほぼ中心部にあり、世界最大級とされるカルデラがある熊本県阿蘇地方。周囲の山並みを一望できる大観峰(標高約936メートル)は、熊本、大分、宮崎県を周遊する際の定番観光地だ。
本来8月は書き入れ時だ。だが下旬のランチタイムでも、周囲の飲食店や観光施設に人の波はない。
「夏はいつも車であふれて大渋滞が起きる。だが今夏はなかった。広範囲を周遊する観光客が減った。回復の見通しが立たない」
茶店を営む大観峯観光の小野公明社長は肩を落とす。
8月の観光客は例年のほぼ半分になった。特に大型バスで訪れ、土産品の購入額が多いインバウンドは3分の1程度に落ち込んだ。8月の売上高は例年より1割減っているという。
九州全域で観光打撃続く
余震への不安に加え、九州を訪れる人々の観光スタイルが、九州全域に影響を及ぼしている。
行政の観光支援策もあって、九州では各県をまたぎ広域を周遊する旅行が一般的だ。
今回の地震では、九州新幹線で一部運行見合わせが続き、九州自動車道も一部で対面通行規制が続いている。そのため、キャンセルなどは被災地から離れた地域にも及んだ。
いおワールドかごしま水族館(鹿児島市)も7月28日~8月16日の入館者数が前年同期比23・5%減の約6万人となり、入館料収入は約800万円減った。
宿泊予約の取り消しも深刻だ。
「旅館に地震の被害はなく、通常営業ができている。それなのに8月分は予約の約9割がキャンセルされた。あまりに不思議な現象だ」
熊本県山鹿市で温泉旅館「山鹿温泉 清流荘」を営む平井英智社長はため息をつく。地震以降、約700人分の予約がキャンセルされ、約2400万円の売り上げが飛んだ。キャンセルは8、9月分が約7割を占めるが、10、11月分も多い。しかも8月中旬まで新規予約はほとんど入らない状況だった。
大分県別府市のおにやまホテルは8月分だけで約800人分(15日時点)の宿泊予約が取り消された。売り上げが前年同月より約1500万円減る見通しだ。「旅行方面を変える」という声が多いという。
大規模な宿泊キャンセル
九州全7県などの調査によると、九州全域で少なくとも…
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