2つの銀河と地球 奇跡的な配列が生み出した「アインシュタインリング」【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:NASA)
こちらは、「くじら座(鯨座)」の一角を捉えた画像。
中央には、不思議なアーチ状の輝きをともなった、ぼんやりと輝く天体が写っています。
ぼんやりとした白い天体は、約27億光年先の楕円銀河「SDSS J020941.27+001558.4」。
その中心部分を囲もうとしているような赤いリングは、像がゆがんで見えている、約110億光年先の銀河「HerS 020941.1+001557」です。
遠くの天体の像が、地球との間にある別の天体の重力によってゆがんだり、拡大して見えたりする現象は、「重力レンズ」と呼ばれています。
像がリング状に見えるものは、一般相対性理論にもとづいて重力レンズを予言をしたアルベルト・アインシュタインにちなんで、「アインシュタインリング」とも呼ばれています。
冒頭の画像は、NASA=アメリカ航空宇宙局が2025年5月20日付で紹介しています。
※銀河までの距離は、天体の光が地球で観測されるまでに移動した距離を示す「光路距離」(光行距離)で表記しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部