マイナンバーカード約90万枚“返納”、その理由とは?返納した人にインタビュー(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)の報道・情報生番組「堀潤激論サミット」(毎週金曜20:57~)。放送では、内閣府の「マイナンバーの利活用拡大のための検討タスクフォース」の委員を務めた弁護士の水町雅子さんをゲストに迎え、“マイナンバーカードの取得義務化”について議論。番組後半ではマイナンバーカードを返納する動きについて取り上げつつ、コメンテーター陣が提言を発表しました。 ◆本格運用開始から10年、マイナンバーカードの現状 2016年の本格運用開始から10年が経ったマイナンバーカード。現在、取得は任意となっていますが、自民党のデジタル社会推進本部はマイナンバーカードの利便性を国民全員が実感できる社会を目指すために取得義務化の検討を提言。しかし、政府は7月21日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で、マイナンバーカードの取得義務化を見送りました。 現状、マイナンバーカードを保有していない人の数は約2,000万人。その中には個人情報漏洩や通信障害、システムトラブルなどに対する懸念から取得を躊躇している人もいます。 果たしてマイナンバーカードは取得義務化すべきなのか。今回は日本大学危機管理学部教授の西田亮介さん、経済ジャーナリストの荻原博子さん、落語家の林家三平師匠、さらには内閣府のマイナンバーの利活用拡大のための検討タスクフォースの委員を務めた弁護士の水町雅子さんを加え、議論しました。 ◆マイナンバーカードを返納する動きも…その理由は? 自民党が義務化を目指している一方で、取得したマイナカードを返納する動きもあります。 会計検査院の調査では、本人の希望などの理由で返納されたマイナンバーカードが去年7月末時点で約93万枚。返納の理由は、「セキュリティに不信感」が33.1%。「政府に対して不信感」が29.4%。「マイナンバー制度に対する不信感」が28.3%です。また、カードを取得していない人の理由としては、「個人情報の漏洩が心配 」が50.2%。その他、「取得する必要性が感じられない」、「国の個人情報の把握が怖い」、「申請手続きが面倒」、「紛失や盗難が心配」が続きました。 こうした不安の声に対して堀は、「保険証や免許証、パスポートもあるし、そんなに過剰に恐れなくてもいいのでは」と私見を述べつつ、「ただ、根幹にあるのは国への信頼だと思う。デンマークでも途中いろいろトラブルがある中、50年ぐらいかけて国民と政府の間の信頼を築いた。やはり信頼関係は重要」と指摘すると水町さんも同意します。 今回、番組ではマイナンバーカードを返納した岡山県に住むハマッチさんを取材。返納するきっかけは2023年のある出来事だったと言います。「備前市でマイナンバーカードを取得している親御さんの子どもは給食費無償、持っていない親御さんの子どもは無償にならない。だからマイナンバーカード取得しましょうという動きがあった。親がマイナンバーカードを持っているかどうかで子どもに対しそんな不平等があっていいのか。そもそもそんなことを引き起こすカードなんておかしいと思って返納を決めた」と返納理由を明かします。なお、備前市はこれをすぐに撤回したものの、ハマッチさんの不信感は払拭されなかったそうです。 そして、返納前と後では何か生活に違いがあったのか聞いてみると、「(マイナンバーカードがあれば)コンビニで住民票が取得できるが、(必要であれば)市役所に行けばいいし、保険証も普通に使えるので全く困っていない」とハマッチさん。 さらには、「マイナンバーは地方行政が管理しているので、何かあった時の責任の所在が明確。ところがマイナンバーカードは、任意なので責任を取る人がいない。だからこそ義務化して、誰かが責任を取るから皆さん持ってくださいということなのかもしれないが、そうであれば、それをちゃんと訴えてほしい」と不満を募らせていました。 市井の声を聞き三平師匠は、「日本国民は心配性なので、『(マイナンバーカードを)落としたらどうしよう……』とか考えてしまうので、やはりまずは魅力を伝えるべき」と主張。 かたや堀は、「(マイナンバーカードの取得義務化による)デジタル行政の効率化でどのくらいのお金が浮き、そのお金は国民の暮らしの向上に役立てられるといったビジョンが示されていない」と課題を挙げると水町さんも、「行政効率化という言葉ではなく、何十億削減できる、何千時間削減できるとか具体数値で言っていかないとなかなか(国民には)刺さらない」と追従します。 ◆マイナンバーカードは取得義務化するべきか? マイナンバーカードは取得義務化するべきなのか。最後に今回の議論をふまえ、コメンテーター陣が提言を発表します。西田さんは“やむを得ない義務化”。「ここまで来たら残り2割を(マイナンバーカードを)持っているとみなせるようにすることが重要なので義務化と書いたが、“標準化”することがいいのかなと思う。ただし罰則は科さない。それが原則」と言います。 一方、三平師匠は“居酒屋の煮込みの具”。「(その心は)グズグズ言ってもやっぱり持つ(モツ)か」と落語家ならではのユーモアあふれる提言を発表すると、スタジオからは拍手が。 荻原さんは、“便利にするのが先!! ”。「今、マイナンバーカードで成功している国は(カードが)便利。カードを持っていれば地下鉄も乗れるし、お店も行けるし、オペラも見られる。そういうふうに持っていることが便利とすることが第一じゃないか」と主張。 そして、水町さんは、“具体的メリットを「なりすまし防止」「私専用コンシェルジュ」「ワクワクする将来ビジョンを」”。「マイナンバーカードはセキュリティレベルが高く、なりすまし防止にとても効果がある。そういうことをまず明確に伝えていく。あとは、例えばマイナンバーカードをロボットにかざしたら保育園の空きを検索し、その場で手続きしてくれる、それぐらいのこともできなくはない。いろいろ可能性はあるが、それが全然伝わってこないので、やっぱり明確な将来ビジョンと明確なメリットが必要」と改めて訴えます。 また、堀は“金再分配と電子投票”。「納税や引っ越し、保険、医療などすでに利便性はある。しかし、やはり一番はお金。どれくらい再分配を速やかにしてくれるのかということと、もうひとつは電子投票のマイナンバーの仕組み。これは重要なのでちゃんとやりきってほしい」と切望。 さらに、キャスターの田中陽南は“都:暑さ対策募集 国:マイナキラーコンテンツ募集して、良ければ…”。現在、東京都では暑さ対策を募集していますが、同様に国もマイナンバーカードのキラーコンテンツを募集し、「みんなが納得できれば義務化どうですか? 1億のアイデアを集めてみる」と提案していました。

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