「おごってもらおう…」 渋野日向子を笑顔にした同級生の初優勝
◇米国女子◇JMイーグルLA選手権 事前情報(16日)◇エルカバレロCC (カリフォルニア州)◇6679yd(パー72)
2週前の「Tモバイル マッチプレー」を終えツアーがオープンウィークとなった前週、渋野日向子はロサンゼルスで練習を重ねた。100yd以内の短い距離を繰り返し打ち込み。ウェッジショットの精度を上げること以外にも狙いがあった。
身体とクラブの小さな運動のフィーリングを、最終的にフルショットにまで通わせたい。「30yd、40ydくらいのクラブの使い方を考えて、一球ずつ大事にしながらやっていました。アプローチ、ウェッジから感覚ができれば、少しずつショットの安定につながっていくかなと思って」
2月にスタートした新シーズンの出来にはまだ満足できない。メジャー初戦「シェブロン選手権」(テキサス州ザ・クラブatカールトンウッズ)を翌週に控えた今も、「引き続き練習しないといけない」とスイングチェックに黙々と時間を割いている。
地味な鍛錬で汗を流した前週末は、テレビで観た男子メジャー「マスターズ」のロリー・マキロイ(北アイルランド)の勇姿に感動。また、日本男子ツアーの今季開幕戦「東建ホームメイトカップ」で生源寺龍憲が初優勝を飾ったことを「めっちゃうれしかったです」と喜んだ。
2人は岡山・作陽高時代に同じゴルフ部で男女それぞれのチームを引っ張った。生源寺は身長162㎝と小柄で、高校時代から渋野(167㎝/いずれも現在のプロフィール)よりも背が低かったという。「でも、その小ささを感じさせない選手でした。トレーニングもすごくするし、本当にストイック」と渋野は当時を振り返る。同級生のよしみで「ご飯をおごってもらおうと思います」と笑った。
米ツアー今季6戦目(日本ツアーを含め7戦目)を前に、「もう少し、しなりが欲しいなと思った」と1Wのシャフトは昨年使用していた藤倉コンポジットSPEEDER NXシリーズに回帰。アイアンは7番からPWを、ダンロップのスリクソン ZXi5からソール幅が少し狭いZXi7にスイッチした(6番はZXi5のまま)。
大会はことし、会場をロサンゼルス中心街から西のエルカバレロCCに変更。全体の地形のアップダウンよりも、各グリーンのうねりがプレーヤーを惑わせる。渋野は「傾斜がすごいので、かなりピンポイントに狙わないといけない」と警戒した。「セカンドショットは場所によっては狙えないところ(ピンポジション)もある。できるだけピンと同じ段につけて、奥にだけは外さないように」。練習の成果を試すには十分なコースと向き合う。(カリフォルニア州ロサンゼルス/桂川洋一)