米国株式市場=S&P最高値更新、指標軟調で利下げ観測変わらず
米国株式市場はS&P総合500種が終値で最高値を更新した。写真はニューヨーク証券取引所(NYSE)のビル。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は主要指数がいずれも上昇。S&P総合500種(.SPX), opens new tabは終値で最高値を更新した。重要指標の米雇用統計発表を翌日に控え、労働市場のデータが連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を変える内容にならなかったことが背景。
人工知能(AI)分野の主要プレーヤーとされる半導体大手ブロードコムは引け後の決算発表を前に1.2%上昇して終了。決算発表では第4・四半期の売上高見通しが市場予想を上回り、株価は時間外取引でも上昇した。
アマゾンは4.3%高で引けた。他の一般消費財株も買われ、同セクター(.SPLRCD), opens new tabは2.3%上昇した。 ジェットブルー航空(JBLU.O), opens new tabは、アマゾンの子会社で低軌道衛星ブロードバンドインターネットネットワークのプロジェクト・カイパーと提携し、機内Wi─Fiを改善すると発表した。メタは1.6%上昇した。
労働省が4日発表した8月30日までの1週間の新規失業保険申請件数は予想以上に増加した。ADPリサーチ・インスティテュートの8月全米雇用報告も、民間雇用者数の伸びが予想を下回り、労働市場の軟化を示唆した。
投資家は5日に発表される雇用統計を注視している。
ホライゾン・インベストメンツのリサーチ&クオンツ戦略責任者、マイク・ディクソン氏は「パウエルFRB議長はよほどのことがない限り、事実上すでに利下げを示唆しており、あす発表される雇用統計で何かが大きく変わるとは思わない」と述べた。
CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む今月の25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は95%となっている。
顧客管理ソフト大手セールスフォース(CRM.N), opens new tabはトレンドに逆行し4.9%下落。3日の決算発表で示した第3・四半期の売上高見通しが市場予想を下回り、人工知能(AI)製品の収益化が遅れていることを示唆した。
消費者関連銘柄ではアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO.N), opens new tabが38%急伸。第3・四半期の既存店売上高見通しが市場予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.79対1の比率で上回った。ナスダックでも1.46対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は146億8000万株。直近20営業日の平均は160億7000万株。
LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場
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