「タイヤが空回りしてバックできなかった」いつもの道路に潜む恐怖 記録的な大雨でいわき市のアンダーパスが冠水 車2台が水没し1人が死亡

福島県内では4つの自治体の約14万7000世帯、33万5000人余りを対象に警戒レベル4の避難指示が発令され、最大338人が避難所へ避難した。 12時間降水量は広野町で150ミリを超えたほか、南相馬市や浪江町、富岡町でも約140ミリを観測。公立学校400校以上が休校となったほか、JR東北本線や常磐線、山形新幹線などで運休や遅延が相次ぎ、通勤・通学の足が大きく乱れた。。

いわき市鹿島町米田のアンダーパスでは、付近から滝のように大量の水が流れ込み、高さ2メートルの歩道の手すり付近まで水位が達した。近隣住民によると、現場は以前から大雨時に水が溜まりやすい場所として知られていた。 午前7時47分に「車が水没している」と通行人から通報が入った。当時、いわき市小名浜では1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り、市内には警戒レベル4に相当する“大雨危険警報”が発表されていた。

現場では2台の乗用車が浸水被害に遭った。消防と警察により車内から60代の女性が救助されたが、心肺停止状態で病院へ搬送された後に死亡が確認された。 一方、もう1台の車両に乗っていた40代の女性は、浸水が始まるなか自力で車外へ脱出し無事だった。現場の車は午後4時30分頃、レッカー車によって搬出された。

無事だった40代女性の親族男性が、救出直後の過酷な現場状況について詳細を明かした。 女性は朝の通勤時に普段通りの速度でアンダーパスへ進入した。異常に気づいて後退を試みたものの、タイヤが空回りして動かなくなった。当時、すでに車体が水に浮いていたとみられる。 女性はドアを開けて脱出しようと試みたが、外からの水圧により簡単には開かなかった。二度目の挑戦で全身の力を振り絞り、間一髪で扉を開けて脱出に成功した。女性は「初めての経験で、死ぬのではないかと思った」と恐怖を語った。


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事故の発生を受け、行政による原因究明と対応が進められている。 いわき市によると、現場のアンダーパスに設置されていた排水ポンプ自体は正常に作動していた。しかし、排水先である矢田川(やたがわ)の水位が急激に上昇した影響で、ポンプからの排水が適正に行われなかった可能性がある。 いわき市の内田市長は「市内のアンダーパスを直ちに再点検し、危険箇所については事前の通行規制など必要な対策を検討していく」と表明した。

記録的な大雨となったいわき市では、9カ所で道路の冠水や斜面の崩落など土木被害が確認された。 福島県内には冠水の危険性があるアンダーパスやガード下が121カ所存在する。自治体別では郡山市が最も多く、いわき市、伊達市、福島市と続く。今回の事故現場も危険箇所に指定されていた。 大雨の際には、こうした場所に近づかないことが重要となる。 (福島テレビ)

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