ロシア富裕層の制裁回避ネットワークを壊滅、米英が連携

 12月4日、米国と英国はロシアの富裕層が制裁を回避するために利用していたとされるマネーロンダリング(資金洗浄)のネットワークを破壊したと明らかにした。写真は米財務省のロゴ。昨年1月、米ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン/ロンドン 4日 ロイター] - 米国と英国は4日、ロシアの富裕層が制裁を回避するために利用していたとされるマネーロンダリング(資金洗浄)のネットワークを破壊したと明らかにした。

英国国家犯罪対策庁(NCA)は、国際的に連携した法執行機関の活動により、30カ国にまたがるネットワークを壊滅させたと発表した。

NCAによると、フランス、アイルランド、アラブ首長国連邦(UAE)の当局も参加した。これまでに84人が逮捕され、2000万ポンド(2500万ドル)以上の現金と暗号資産が押収された。

このネットワークは英国と欧州大陸から中東、南米にまで及んでおり、世界中の重大かつ組織的な犯罪を支援していたという。

米財務省は、この組織のメンバーに制裁を科したと発表した。ロシアの富裕層がウクライナ侵攻後に課された制裁を回避するために暗号資産を使用するのを支援していたという。「TGRグループ」として知られる、制裁回避を促進してきた企業や従業員の国際ネットワークに関連する5人の個人と4つの団体に財務省の制裁が科された。

テロ対策・金融情報担当高官は「TGRグループを通じてロシアの富裕層はデジタル資産、特に米ドルに裏付けられたステーブルコインを利用して、米国および国際的な制裁を回避し、自身とロシア政府をさらに豊かにしようとしていました」と指摘した。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: