ひとシネマ:カンヌ映画祭カズオ・イシグロさん原作「遠い山なみの光」受賞ならず

ひとシネマ

毎日新聞 2025/5/24 08:06(最終更新 5/24 10:08) 481文字
「The Mysterious Gaze of the Flamingo」の一場面=カンヌ国際映画祭提供

 南仏カンヌで開催中の第78回カンヌ国際映画祭で23日、「ある視点」部門の授賞式があり、チリのディエゴ・セスペデス監督の「The Mysterious Gaze of the Flamingo」が同部門の最優秀賞を受賞した。日本から出品された石川慶監督の「遠い山なみの光」の受賞はならなかった。

 「遠い山なみの光」は、ノーベル文学賞を受賞した長崎市生まれの日系英国人作家、カズオ・イシグロさんの同名の小説が原作。終戦後間もない長崎と1980年代の英国を行き来しながら、戦争や原爆で傷つきながら生き抜いた人々の姿を描く。出演は広瀬すずさん、二階堂ふみさん、吉田羊さん、松下洸平さん、三浦友和さんら。

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「遠い山なみの光」の一場面©2025 A Pale View of Hills Film Partners

 石川監督は77年生まれ。愛知県出身。ポーランドの国立映画大学で映画作りを学び、2017年に「愚行録」でデビューした。主な作品に「蜜蜂と遠雷」「ある男」など。

 ある視点部門には新鋭を中心とした監督の作品が出品され、最高賞を競うコンペティション部門に次ぐ「第2コンペ」として位置づけられている。コンペ部門の授賞式は24日(日本時間25日)に行われる。【カンヌ勝田友巳】

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