「日本なめられてる」495台盗難で"被害10億円超え"の窃盗団リーダー「刑務所耐えられない」と減刑懇願!? カーディーラー店長が目撃した「日本の司法」の実態

2024年8月、ホンダカーズ野崎で11台が盗まれた事件。その背後には1都11県で495台、被害総額10億円超を盗み続けたベトナム人窃盗団の存在があった。ホンダカーズ野崎・松本店長が傍聴した裁判で明らかになったのは、元技能実習生による組織的犯行の全貌と、被害者に通知すら届かない司法の理不尽な実態だった。

ホンダカーズ野崎での窃盗事件とは?

 2024年は中古車店やディーラー、成田空港周辺の民間駐車場などで多数の自動車窃盗が発生しました。

 2024年8月19日には栃木県大田原市にある「ホンダカーズ野崎」(松本正美店長)に窃盗団8名が侵入。事務所の金庫を破壊し、中にあったカギを盗み出して合計11台が店舗駐車場から盗まれました。

 その後、盗まれた11台はSNS経由の情報提供や店の関係者による懸命な捜索によって奇跡的に発見されています。

 最後の1台は事件発生から12日後に、埼玉県岩槻市内で見つかりました。

 その後、2025年1月29日には大田原警察署から松本店長のもとに連絡があり、現金447万円と、クルマ11台を盗んだ疑いでベトナム国籍の男性3名が逮捕されたことが分かりました。

なぜか狙われやすいシビックタイプRは無事だった。盗難された台数はオデッセイやZR-Vなどの11台(画像引用:タイプR鑑定団 F1店長のタイプRチャンネル)

 男性3名を含む窃盗団は合計7-8名で日本全国で盗みを行っており、ホンダカーズ野崎のほか、2024年6月に成田空港近くの民間駐車場で起きた9台盗難など1都11県で495台もの乗用車を盗んでいました。

 クルマ以外にも盗みを行っており、その点数は合計で1619点にものぼり、総額総額は約10億3千万円と報告されています。

 10月10日には埼玉県警、神奈川県警、新潟県警などの合同捜査班が建造物侵入と窃盗などの疑いでさいたま地検に追送検し、捜査を終結しています。

 実行犯のリーダー格はベトナム国籍のチャンドゥック・ルオンで25歳。本人の供述によると、技能実習生として日本に来たものの暴力やいじめを受けて脱走。不法残留は2年半にもなり、借金を返すために窃盗を続けてきたとのこと。

 なお、ルオン容疑者の報酬の合計金額は約2400万円。これは平均月収4万円とされるベトナムでは、600か月分に相当するため、ルオン容疑者は日本での自動車を中心とした窃盗において50年分の報酬を得たことになります。

 技能実習生として来日したものの、様々な理由で脱走する外国人は増加傾向にあります。

 日本の技能実習生制度における失踪者数(脱走者数)は法務省(出入国在留管理庁)の統計によると、過去5年(2020年~2024年)では6000人~1万人弱で推移しており、最多となった2023年は9753名が失踪しました。

 2024年は前年比約33%減の6510名で大幅に減っています。そして国籍別で最も多いのはベトナムです。

 これはベトナムからの技能実習生受け入れ数が全体の約半数以上を占めるためで、失踪率自体も相対的に高い傾向にあります。

 技能実習生の総数は約40万~55万人規模で推移しており、失踪率は全体の約1.5~2%程度と報告されています。

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