米、ロシアのウクライナ侵攻巡るWTOの非難声明に署名せず=関係筋

 2月26日、米国は、ロシアのウクライナ侵攻を非難する世界貿易機関(WTO)加盟国による共同声明への署名を見送った。写真は、ロシアの軍用ヘリコプター。2月21日、ウクライナのドネツク州で撮影(2025年 ロイター/Alexander Ermochenko)

[ジュネーブ 26日 ロイター] - 米国は26日、ロシアのウクライナ侵攻を非難する世界貿易機関(WTO)加盟国による共同声明への署名を見送った。外交筋やWTO当局者がロイターに明らかにした。

声明は2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻以降、毎年発表されてきたが、米国が支持しなかったのは今回が初めてで、ロシアとの関係の変化を示している。

声明にはウクライナのほか、欧州連合(EU)、英国、カナダ、オーストラリアなど40以上のメンバーが署名した。

米政府高官は「共同声明への支持を見送る決定は、今週初めの国連安全保障理事会と国連総会における米国の立場に沿ったものだ」とロイターに語った。

国連安保理は24日、米国が提出した、ロシア・ウクライナ紛争について中立的な立場を取る内容の決議案を採択した。 もっと見る
同日開催された国連総会の会合では、ウクライナと欧州諸国が中心になって作成した決議案が採択されたが、米国は反対した。 もっと見る

WTOの声明は、ロシアによるウクライナ全面侵攻が同国の人々の生活や経済に壊滅的な影響を与えていると非難。

ウクライナから国際市場への農産物、肥料、鉱物の供給を含め、「われわれはこの破壊がウクライナと世界貿易に及ぼす影響を深刻に懸念している」とした。

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