吉沢亮×板垣李光人にインタビュー、2人が理想とする「真のイケメン」とは?溢れ出るお互いの魅力を語る

映画『ババンババンバンバンパイア』が2025年7月4日(金)に全国公開。主演を務める吉沢亮と、共演する板垣李光人にインタビュー。

映画『ババンババンバンバンパイア』は、「別冊少年チャンピオン」にて2021年11月号より連載がスタートした、奥嶋ひろまさによる同名漫画が原作。銭湯で働くバンパイアと、ピュアボーイによる“童貞攻防戦”を描く、設定からして前代未聞のバンパイア・ラブコメディだ。浮世離れした美形の主人公・森蘭丸(もり らんまる)は、とある銭湯で住み込みバイトとして働いているが、なんとその正体は450歳のバンパイア。究極の味わいである「18歳童貞の血」を求め、銭湯のひとり息子である立野李仁(たつの りひと)の血を狙っている。だがそんなある日、李仁がクラスメイトの葵に恋してしまい童貞喪失のピンチに。決死の〈童貞喪失阻止作戦〉が幕を開ける。

今回は、450歳の美形バンパイア・蘭丸を演じる主演の吉沢亮と、天真爛漫なピュアボーイ・李仁を演じる板垣李光人にインタビュー。お互いの印象から、俳優業についてまで、たっぷり話を伺った。

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吉沢さんが劇場映画でコメディを演じられるのは『ブラックナイトパレード』以来かとお見受けします。色々なオファーの中で、『ババンババンバンバンパイア』をやりたいと思った決め手を教えてください。

吉沢:バカしか出てこない脚本がとにかく面白かったです。敵も味方も全員が愛すべきキャラクターなのが良いんです。浜崎監督と以前ご一緒した『一度死んでみた』の時も同じことを思いました。あのコメディ感がすごく好きで、今回も楽しそうだなと思ってお受けしました。

板垣さんが演じる李仁は、なんと原作者の奥嶋さんが板垣さん本人をイメージして描いたキャラクターだとか。板垣:僕をイメージしたキャラクターを描いていただけるだけでも本当に嬉しいですが、その実写化で演じるなんてこの上なく光栄でした。こんなことは、俳優人生において後にも先にもないと思います。

とってもピュアなキャラクターでしたが、ご自身と似ている部分はありましたか?

板垣:僕は幼少から俳優を始めて、大人と関わることも多かったので、なかなかピュアともいかず(笑)。学校に行って、勉強して、友達と遊んで、みたいな生活をしている無垢な李仁と比べると、どうしても色々俯瞰で見てしまいます。なので今回は、ピュアさを引き出せるよう頑張りました。

吉沢さん演じる蘭丸が、可愛すぎる李仁を見て「ズキュン」と撃ち抜かれている姿が印象的でした。吉沢さんご自身が板垣さんを見て「可愛いな」と思う瞬間はありましたか?吉沢:そりゃあもうね、可愛い。彼はもう自分が可愛いことを分かっちゃってあざといんです。それがいいですよね。ここまで潔くあざといと、嫌味がない。

あざとさは計算内ってことですか?

板垣:ありがとうございます(笑)。最近は人見知りも少しだけ克服して、近い距離で接することができるようになってきたなと思って。吉沢:吹っ切れてきたんじゃない?自分の可愛さに。

板垣:ですかね(笑)。

吉沢さん演じる森蘭丸は、“18歳童貞の血”を求める450歳の美形バンパイア。かなりクセ強めなキャラクターですが、吉沢さんご自身でも「僕、変わっているな」と思う瞬間はありますか?吉沢:あんまりないです。別に普通だよね?板垣:変わってないと思います。でもゲームをしている時はすごい…声が大きいです(笑)。吉沢:ゲーム中はね。急に奇声発したりするから。板垣:はい。現場とはまた違う、ゲーム中の吉沢亮さんという感じです。

やはりゲーム中は解放されるものがあるんですか。

吉沢:ゲームはマジになっちゃうんで。素の部分が出てきてしまいますね。

ご一緒にゲームをされるなんて、仲が良いですね!

吉沢:ちょうど昨日も一緒にやりましたよ。協力して敵を倒す系のゲーム。李光人がゲームを始めたばかりなので、僕ともう1人の共通の友達がひたすら彼をサポートしていました。

板垣:ずっと守っていただいていました(笑)。面白かったです。

お2人の共演は大河ドラマ「青天を衝け」に続き2回目となります。振り返ってみて、お互いの第一印象はいかがでしたか?吉沢:大河で初めてご一緒した時は、なかなか役者さんで見たことがないタイプの方だなという印象が強かったです。すごく綺麗で透明感があって、唯一無二感があるというか。板垣:僕はもう本当に、吉沢さんに1番最初にお会いした時は思わず顔を見ちゃいました(笑)。テレビで見ていたまんまの美しさでした。吉沢:(笑)。

板垣:会ってもその美しさが信じられないくらい、彫刻家が丹精込めて彫ったみたいな造形をされていたので。圧倒されたのが最初の記憶です。そこから芝居を一緒にさせていただく中でも、吉沢さんの目の強さに魅了されます。

先ほど一緒にゲームをしているというお話もありましたが、大河の時と比べると距離もぐっと縮まったのでは?吉沢:そうですね。大河の時は僕自身もとても忙しくて、あまり人と話す余裕もなかったので。今回の共演で自然に打ち解けられるようになったかなと思います。あとは李光人とは共通の知り合いがいて、僕が『ババンババンバンバンパイア』の撮影に入る2日前くらいに3人で食事に行ったんです。

板垣:「青天を衝け」の時はそこまでお話した記憶がなかったので、蘭丸と李仁という関係性含めて、撮影前にお会いできたのは大きかったです。

初対面の印象はお互いに「顔が美しい」とのことでしたが、そこから再び共演を経て、内面的な部分で相手の「かっこいいな」と思う部分はありますか?板垣:いつも余裕があるところです。吉沢さんの主演としての姿を拝見していても、気張っている感じではなくて、良い意味ですごく力が抜けていて。それが僕は心地よかったですし、現場に居やすかったです。吉沢:でもそれで言うと、李光人もすごく自然体だよね。何かに臆することもないし、言われたことを言われたこと以上のクオリティでやっていく。淡々と、余裕をもって仕事をしているところが格好いいと思います。

なるほど。では吉沢さんが考える“真のイケメン”とはどのような人物だと思いますか。

吉沢:今急に流れ変わりましたよね(笑)。板垣:(笑)。

吉沢:僕はこの世で1番「ONE PIECE」のゾロが格好いいと思っています。生き方に無駄がないんですよね。修行してるか、飯食ってるか、寝てるかみたいな。そういう男にはやっぱり憧れちゃいます。

板垣さんはいかがですか?

板垣:僕は「余裕・知性・品性」がある人が素敵だなと思います。大河ドラマ「どうする家康」で大森南朋さんや松重豊さんなど、50代以上の大先輩と共演させていただいたのですが、大人の余裕が本当に格好いいんですよ。ちょっと地面から浮いているんじゃないかと思うくらい、肩の力がふわっと抜けていて、物腰もとっても柔らかくて。それでいて、仕事に関してはすごくどしっと存在感がある。あんな大人になれたらいいなと思います。


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『ババンババンバンバンパイア』のような振り切ったコメディ作品と、あるいはシリアスな作品と、どちらのほうが自分に向いていると思いますか?吉沢:やっていて好きなのはコメディ、やりやすいのはシリアスです。

シリアスな役のほうがやりやすいというのはどうして…?

吉沢:シリアスな役を演じる機会のほうがシンプルに多いので、引き出しが多いのかもしれません。コメディって人それぞれのセンスがあるじゃないですか。自分が持っているこだわりと、監督が持っているこだわりも違いますし、現場でのすり合わせが大変な印象があります。基本的には監督の指示に従って進めますが、ちょっとした間だったり、セリフの強弱の違いで「これって面白いのかな…」と思う瞬間が結構多いです。板垣:僕も同じですね。どちらも楽しいですが、シリアスのほうがやりやすい感じがします。コメディのほうがより職人的と言いますか。『ババンババンバンバンパイア』では、吉沢さんとの掛け合いでコメディチックなシーンが沢山あったのですが、本当に難しくて。リズムやテンポは吉沢さんに作っていただき、僕はそこに乗っからせていただく形で助けていただきました。

実際に目の前で吉沢さんのコメディシーンを見ていかがでしたか?

板垣:台本で読んだ時の予想の5倍くらい吉沢さんのテンションが高くて驚きました (笑)。

吉沢:うん、確かにそれはそうかも。

コメディシーンのほかにチャレンジングだったことはありますか?板垣:自分をモデルにキャラクターを描いていただく…という前例に無いことで、逆にどう演じていいか分からなくて。そこはかなり苦労しました。だから、1回自分がモデルだということは忘れて、原作と脚本を読んだときに思った自分なりの李仁を演じようと意識していました。あとは、役が15歳だったので大丈夫かなと心配してましたが、現場で「もしかしたら小学生でもいけるかもね!」と言っていただけたので、それは安心しました(笑)。吉沢:もうね、李光人と原さん(原菜乃華)の並びが若すぎて、中学生って言われても全然いけるよって(笑)。李光人なら小学生でもいける。短パンが似合いすぎ。板垣:短パン小僧です(笑)。吉沢:あれは完全に短パン小僧だったよ。素晴らしかった。

吉沢さんは本作で苦労したことはありますか?

吉沢:今回は歌も歌っていますし、要素が多すぎて、それをちゃんと映画としてのクオリティでお届けするというのは大変でした。愉快だなと思いつつ、とにかくやることが多くて(笑)。

あとは、苦労したところと言うと違うかもしれませんが、原作の森蘭丸の見た目に近づくことにはすごくこだわりました。ウィッグを被るのですが、髪の長さやスタイリングについて何回も微調整して、キャラデザインが極力ぶれないようにしました。

ここからは、2人それぞれの「俳優業への向き合い方」を深堀り。役者としての強みや今後の目標、趣味についても伺った。

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吉沢さんが考える“自分らしさ”とは?自分では相当マイペースだと思います。自分の予定を他人に変えられるのが苦手なので、いつも都合の良いように生きています。周囲の環境に左右されない方かもしれないです。

マイペースな性格が、俳優としてプラスになっていると感じる瞬間はありますか?

周囲の環境に影響されず、自分の世界に集中できるのはいいところかもしれないです。役のためなら、特殊なことでもストイックに頑張れます。でも、プライベートだとできない。ジムに行くとかは結構サボっちゃいます。オンオフの切り替えはしっかりありますね。

30代に入り、俳優業への向き合い方で変わった部分はありますか?

あまり変わっていないと思います。役者が好きで続けているというのは、デビュー時からずっと同じです。

もちろん、自分の転換点になった作品はあります。印象深いのが『オオカミ少女と黒王子』という少女漫画原作の映画。それ以前は、このセリフはどう言う、ここはどう動く、と台本に書いてあることを全部きちっと固めて現場に入っていたのですが、この映画では一切決めずに挑みました。その時、その場で役者さんや監督と作品を作っていく、現場でみんなで作っていくような感覚。今はそれが僕のスタイルになっています。『オオカミ少女と黒王子』で出会った人と未だにご一緒する機会が多く、僕の中では特別な作品です。

板垣さんは大のファッション好きなんだとか。大好きです。好きなブランドのコレクションは毎シーズンチェックしますし、好きなルックの画像も保存します。パリで開催されたショーに招待いただいた時は、服好き冥利に尽きました。

そこまでファッションに夢中になったきっかけは?

2017年のアレッサンドロ・ミケーレのコレクションを見て衝撃を受けたのがきっかけです。子どもの夢をそのまま表現したみたいな世界観に心奪われてしまって。そこから、服で自分が変わるのが楽しくなっていきました。

個性的なファッションが好みなんですか。

海外ブランド・ドメスティックブランド問わず、真っ黒な服からカラフルな服まで、とにかく幅広い服を着ています。でもやっぱり好きなのは、アレッサンドロ・ミケーレやジョン・ガリアーノが生み出すような服。ロマンの極みを感じるようなデザインに心惹かれます。

幼少期から芸能界で活躍されていますが、別の道を歩もうと思ったことはありますか?ないですね。芝居にずっと夢中です。

板垣さんが考える俳優業の魅力とは何でしょうか。

他人の感情や人生に干渉できるというのは、やはり俳優の大きな魅力だと思います。1つの作品であったり、1つの音楽であったり、それが誰かの人生を大きく変えるかもしれないというのは、とんでもないことだと思うんですよ。僕自身、携わる身としても、享受する身としても、今も昔もずっとエンタメというものに救われてきているので。もし自分が何かを与えられる手段を持っているのであれば、届ける義務があると思っています。

最後に、今後の目標を教えていただけますか。

こうやって芝居ができているって、尊いことだと思うんです。好きなことで生きている今が幸せで、嬉しいので、続けること以上に大きな目標はないかもしれない。何十年先もずっと芝居ができたら良いなと思いますし、そのために求められるような人間でありたいと思います。

ありがとうございます。板垣さん、とっても熱い方なんですね。

意外と(笑)。ミステリアスなイメージだとよく言われますが、実は熱いかもしれないです。

映画『ババンババンバンバンパイア』公開日:2025年7月4日(金)※当初2025年2月に公開予定だったが、公開日が変更となった。なお、変更前に購入済みのムビチケ前売券(カード・オンライン)は延期後の公開時にも使用可能。監督:浜崎慎治脚本:松田裕子出演:吉沢亮、板垣李光人、原菜乃華、関口メンディー、満島真之介、眞栄田郷敦、堤真一、音尾琢真、映美くらら、笹野高史主題歌:imase「いい湯だな 2025 imase × mabanua MIX」 (Virgin Music / ユニバーサル ミュージック)原作: 奥嶋ひろまさ「ババンババンバンバンパイア」(秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)配給:松竹

<あらすじ>

老舗銭湯で住み込みのアルバイトをしている森蘭丸。その正体は、450年を生きる吸血鬼。彼が追い求めているのは、最上の味とされる“18歳童貞の血”。その理想に最も近い存在として、銭湯の一人息子で15歳の李仁の童貞をひたすら守り抜いてきた。しかし、思春期を迎えた李仁に突如として異変が起きる。同じクラスの女子に一目ぼれしてしまったのだ。これに危機感を抱いた蘭丸は、「李仁の童貞は何があっても守り抜く。恋なんてさせるものか」と心に誓い、全力で“童貞喪失阻止作戦”に打って出る。

©2025「ババンババンバンバンパイア」製作委員会 ©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022

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