火星には風速40m超の突風が吹き荒れてるらしい…

Image: ESA/TGO/CaSSIS

火星移住に暗雲?

人類は火星を目指しています。いまや着陸に備えて先に送り込む、ヘリコプターの編隊まで計画されてはいるのですが、想定外の障害が明らかになっていますよ。

風速40m超の突風!

このほど科学ジャーナルの「Science Advances」には、火星の地表面に吹き荒れる砂嵐についての最新研究成果が発表されました。

欧州宇宙機関(ESA)が飛ばした火星探査機の「Mars Express」ならびに「ExoMars Trace Gas Orbiter」が収集した、20年におよぶ観測データを徹底分析。この期間に火星で発生した1039回の砂嵐の詳細解明が進められました。

Image: 気象庁

その結果、火星に吹き荒れる突風の激しさは、これまで考えられていたよりも恐るべきレベルに達することが判明。ときに時速160kmにも到達し、風速44mを超えていたことがわかりました! 風速40m以上というと、気象庁のデータでは、電柱が倒れ、鉄骨構造物が変形するほど猛烈です。

いかに回避して備えるかがカギ

想定外の超強風が襲う火星の地表面。どうやら太陽光で空気が温められて上昇することで、その隙間へ入り込む冷たい空気が循環を引き起こす過程において、すさまじい強風になっていくシミュレーションが立てられているようです。年中ずっと吹き荒れているのではなく、いわゆる春や夏に相当する季節の午前11時から午後2時にかけての時間帯が、もっとも突風の発生しやすいタイミングなんだとか。

風速や風向についての情報は、将来の火星着陸ミッションの計画に大いに役立つものとなる。こうした観測結果で、着陸地点風の状態への理解を深め、科学者をサポートできるよう願っている。

今回の研究プロジェクトを率いた、スイスのベルン大学のValentin Bickel博士は、こんなふうに語りました。

とりわけ砂嵐が発生しやすい地点なども存在しており、今後の調査で、さらなる分析がなされるようです。貴重な電力源となるソーラーパネルも、大量の砂をかぶって稼動しなくなる危険性があり、対策を講じる必要がありそう。まだまだ火星は未知の世界ですよね~。

Source: Science Advances気象庁

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