「妹のことをどう伝えればよいのか」姉は意識が回復し会話も 浜松市の小学生4人死傷事故からまもなく1週間 亡くなった女児の父親が胸中語る「ありがとうと最後に」

静岡県浜松市で小学生4人の列に軽トラックが突っ込み、小学2年生の妹(8)が死亡、小学4年生の姉(10)が重体となった事故の発生から1週間となるのを前に、3月30日午前、姉妹の父親が取材に応じました。

父親は「娘はまだ生きていると思うことがある。ぽっと目の前に出てきそうな感じがする」などと、事故後の苦しい胸の内を吐露しました。また、意識不明の状態が続いていた姉の容態が、回復に向かっていることなども明らかにしました。

事故が起きたのは3月24日、浜松市中央区舘山寺町の市道で、自転車に乗っていた小学生4人の列に、農家の男(78)が運転する軽トラックが後ろから突っ込みました。この事故で、事故現場の近くに住む小学2年生の女の子が死亡。一緒にいた小学4年生の姉が重体、友人の2人が軽いけがをしました。

事故から6日。3月30日午前、姉妹の父親が取材に応じ、時折、声を震わせながら事故後の苦しい胸のうちを語りました。

<姉妹の父親(37)>「事故当日から気持ちは変わらない。信じていないというか、信じられない気持ちでしかない。娘はまだ生きていると思うことがある。ぽっと目の前に出てきそうな感じがする」

父親によりますと、女の子の通夜と葬儀は、29日までに行われたということです。父親は娘について、人懐っこく、おしゃれが好きだったと話します。普段は「ダメ」と言っていた、母親の口紅を塗り、緑のドレスを着せてお別れをしたといいます。

<姉妹の父親>「同学年の子だけじゃなくて、上級生や中学生など、色々な人がお別れに来てくれた。あまりに突然すぎ、皆が信じられない状態だった」

父親は取材のなかで、姉妹で仲良くする様子や、家族で毎週のようにしたお出かけなどを振り返り、「娘の事を忘れないでほしい」と声を振り絞りました。

<姉妹の父親>「8年しか一緒にいられていないんですけど、ありがとうと最後に言った」

また、事故後から意識不明の状態が続いていた姉は、28日午後から意識が回復し、家族とも会話ができたといいます。

<姉妹の父親>「姉は『妹は?』と心配して聞いてきた。妹のことを言えない状況で」

家族は、医師などの指導のもとショックなどを考慮し、姉に対して妹の死を伝えられていないといいます。事故の発生から3月31日で1週間を迎えます。

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