日産自動車の「長く続く出発の日」 復帰後公式戦初勝利 都市対抗予選
第96回都市対抗野球大会の西関東2次予選は2日、川崎市の等々力球場で第1代表決定トーナメント2回戦があった。
15年の休部期間を経て今季から活動を再開した日産自動車は甲斐府中クラブに10―0で七回コールド勝ちし、復帰後の公式戦で初勝利を飾った。
Advertisement打線は19安打を放ち、砂川羅杏(らいあん)と安藤利玖の両投手が無失点で締めた。
日産自動車・伊藤祐樹監督の試合後のコメントは次の通り。【円谷美晶】
日産自動車・伊藤祐樹監督
<都市対抗予選で勝利し、公式戦初勝利となった>
◆100点満点です。初戦をいい形で、すきなく勝ち切れたこともそうだし、これだけのお客さん、日産野球部を応援してくれる方々に勝利を届けられたことが一番良かったです。
<試合前は選手にどんな声かけをしたのか>
都市対抗予選となると硬くなったり、(やりたいこととは)違う野球になったりしがちですが、彼らは(都市対抗予選が)初めてなので、「緊張して大変なんだよ」と言ってもあまり感じるものがないというか(笑い)。今までやってきたことを信じて、全員で一致団結して戦っていこうという話をしました。
相手がクラブチームでも企業チームでも関係なく、しっかり準備して自分たちの野球をやり抜くということが我々のやるべきこと。みんなしっかり集中して最後まで引き締まった野球をやってくれました。
<初戦の先発は砂川投手に託した>
もともと春先から頑張ってくれているし、持っている勝負勘や、大舞台でも物おじしないで平常心でいられるというところもあります。
<打線は相手投手の緩い球に1巡目から対応できた>
「よしいくぞ」って肩をぐるぐる回して試合に入った時に、ああいう投手が来ると、嫌な流れかなと思ったが、4番の石飛が最初にタイムリーを打ってくれて、みんな肩の荷が下りたと思います。
<4番の石飛選手は4安打3打点の活躍>
彼はずっと悩んでいて、今日もどうなるかなと思っていたんですけど。大学の時から実績十分なので、こういう舞台でも落ち着いて、自分のパフォーマンスができた。本当に彼はすごい。
<相手のミスにつけ込んで塁を奪う姿も日産らしい>
あれがこういうところでできるんだっていうね。相当練習はやってきたので。よく打ってよく投げたのもそうだが、すきをついた走塁をこの舞台でできたことはすごく良かったです。
<公式戦初勝利>
今までの50年の歴史プラス、これから長く続く野球部の出発の日だと思う。休部になる前の野球を継承した今日の戦いだったのかなと思います。
<会社の業績悪化や、野球部が本拠地としている神奈川・追浜(おっぱま)工場が閉鎖の検討対象となっているなどのさまざま報道が出ている>
経営の中での検討段階のことなので、まだ何も決まっていない。そういう中で我々がこういう活躍をもって、社員の皆さんに元気を与えられる、社内の一体感を作れるというところに軸足をしっかり置いて戦っていきたい。