中国のイラン産原油輸入、米制裁強化懸念で3月に急増

中国のイラン産原油輸入が3月に急増した。原油を積み下ろすタンカー、浙江省舟山で2018年撮影(2025年 ロイター)

[シンガポール 10日 ロイター] - 中国のイラン産原油輸入が3月に急増した。アナリストらは、米国による対イラン制裁強化で供給が引き締まる可能性が懸念される中、買い手が在庫を積み増したと指摘している。

船舶追跡会社Vortexaのデータによると、中国のイランからの原油輸入量は先月に日量180万バレルを超え、過去最高を記録した。

分析会社Kplerのデータでは、中国の3月のイラン産原油輸入量は日量137万バレルと前月比83%増加し、5カ月ぶりの高水準となった。

一方的な制裁に反対する中国はイランが輸出する原油の約90%を購入。そのほとんどはマレーシアとシンガポールの沖合で積み替えられ、マレーシア産として再ブランド化される。

Kplerのデータでは、イラン産原油は3月の中国原油輸入の13%を占めている。

米国はトランプ大統領が2月にイランへの「最大限の圧力」を呼びかけてから、イランの石油取引に対して4回の制裁を科している。

Vortexaによると、全体的な需要が上向かない中、中国のイラン産原油輸入量は4月に減少し、年初来の平均では昨年と同じ日量130万─140万バレルで安定しそうだという。

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