にじさんじ・ルンルンが語る、映画『黒牢城』のおもしろさ。「時代劇を見慣れていない人でも、観やすい!」【ルンルンインタビュー】
にじさんじ所属のVTuber・ルンルンさんが、映画『黒牢城』をいち早く鑑賞。「時代劇はあまり触れてこなかった」というルンルンさんだが、「時代劇を見慣れていない人でも、観やすい作品」と太鼓判を押す。
かわいらしいビジュアルと声で人気を集める一方、配信ではリスナーの悩みに寄り添うような言葉もたびたび話題になるルンルンさん。なぜ“時代劇初心者”のルンルンさんが『黒牢城』に惹かれたのか。その理由を聞いた。
〈映画『黒牢城』とは?〉
時は戦国時代。武将の荒木村重(演:本木雅弘)は、織田信長に反旗を翻して有岡城での籠城を決行した。ある冬の日、固く警護された部屋で少年が殺害されるという密室殺人事件が発生。その後も不可解な怪事件が相次ぐ。現場の検分や家臣たちへの聞き込みを経ても事件解明にたどり着けない村重が頼ったのは、地下牢に幽閉された敵方の天才軍師・黒田官兵衛(演:菅田将暉)だった——。史実を背景に、本格的な謎解きを融合させた傑作ミステリー。
普段、時代劇は観ないけど…「お目通り願えるか!」にハマっちゃった
——まずは映画を観た感想を教えてください。
ルンルンさん(以下、ルンルン):時代劇を見慣れていない人でも、観やすい作品だと思いました。
今、自分たちの周りはすごく平和で、誰かの死を直接目にすることってなかなかないじゃないですか。だから時代劇を観ると、誰かの言葉ひとつで人の命が終わってしまう恐怖や危機感を感じてしまう。でも『黒牢城』は、「人を殺さない」という信念を持つ村重さん(本木雅弘)の人柄もあって、すごく面白かったです。
——普段、時代劇やミステリー作品を観ることはありますか?
ルンルン:お恥ずかしながら、時代劇を観ることはそんなになくて……。ミステリーはたまに観ますけども、独特の流れやトリックがよくわからなくて、あまりたくさんは観ていないです。
——たしかに、どちらにも独特のルールがありますよね。時代劇では時代背景や言葉も違いますし。
ルンルン:家臣の方が村重さんを待つときの所作とか、かっこいいなって思うし、武士への憧れはありますけれども。言葉も独特だったので、観終わった後にわからない言葉を調べたりしました。
——どんな言葉を調べたんですか?
ルンルン:最初に気になったのが「足軽」。もうひとつは、戦を鼓舞するために叩く「陣太鼓」です。「陣太鼓が聞こえなかったから士気が上がらなかった」みたいなセリフがあって、そんなすごいものなのかと思って調べました。でも武士の言葉はかっこよくて、一緒に住んでいるお人間さんたちに「お目通り願えるか!」とかずっと言ってました。はまっちゃって…フフフ♪
紅一点の村重の妻・千代保(演:吉高由里子)に共感!
——かっこよくて真似したくなりますよね。戦国時代の雰囲気についてはどう思いましたか。
ルンルン:この時代ってきっちりと上下関係があって、立場が少し違うだけで言葉づかいや服装が違うところが面白いなと思いました。ちょま(※)は今、にじさんじというユニットに所属していて、先輩がいるんですけれど、みんな「気を遣わなくていいんだよ」って言ってくださるんですよ。でもやっぱり先輩方への憧れは強くて。フラットに接するようにしてますけど、リスペクトはあります。(※ルンルンさんは自身のことを「ちょま」と呼ぶ。以下同)
——劇中でも、家臣たちの村重に対するリスペクトが感じられましたよね。もしルンルンさんが家臣だったら、村重に「ついていきたい」と思えるところはありましたか?
ルンルン:素直にかっこいいですよね。ついていきたい。自分を信じてついてきてほしいっていうタイプだと思うんですけど、やっぱり上に立つ人の権威性みたいなものを強く感じて。カリスマ性のある存在感が魅力的だなと思いました。
——ブレない感じがありましたよね。そんな村重が唯一心を許している、と感じられるのが妻の千代保(吉高由里子)です。本作では紅一点なので、女性なら共感する人も多いのかなと思います。
ルンルン:千代保さんが仰ることは本当によくわかるというか。さきほどお話しした、命が簡単に奪われることの危機感にも通ずるんですけど、何を信じて生きていったらいいのか、過去の出来事も含めてわかるなと思ったし、わかってあげたいなとも思いましたね。
想像した「密室事件」とは違う、時代劇との掛け合わせだからこそ成立した『黒牢城』
——ミステリー作品は難しい…ということでしたが、本作はいかがでしたか? 『黒牢城』では“籠城”という設定が大きな特徴です。つまり、城自体が密室のようなもの。殺人事件が起きたら仲間内に犯人がいることになるので、みんなが疑心暗鬼になるわけですが。
ルンルン:密室事件って聞くと、テクノロジーを使った「そんなこともできちゃうの!?」みたいなトリックを想像していたんです。でも、あの時代はそういう技術がないので、密室を成立させるためには必ず誰かの思惑や行動が関わってくる。そこが面白いなと思いました。人と人との関係性や忠誠心、立場の違いみたいなものが事件の鍵になっていて、トリックそのものに人間ドラマが組み込まれているんです。時代劇との掛け合わせだからこそ成立するミステリーで、本当に巧妙だなと思いました。
——事件の動機がこの時代らしいものでしたよね。考察しながら観ることもありましたか?
ルンルン:はい。でも時代が違うから、弓を持ったこともなければ鉄砲も持ったことない。だから、なんでだろうっていっぱい考えても、わからないことが多くて。誰かが亡くなったのを「天罰だ」って家臣が言う場面では、“たしかに、これはさすがにトリックじゃない。本当に天罰なのかも”って(笑)。
——トリックとは思えないシーンもありましたよね(笑)。同時に、命が簡単に奪われていたこの時代は、現代以上に“信心深さ”が人々の心に根強くあったのだろうなとも思えましたし。
ルンルン:そうですね。当時は、自分の手ではどうしようもないところで世界が動いているような感覚になっちゃう人もたくさんいたんだろうなと思うと、そういう時にそばにいてくれるような神仏の存在が生活にしっかり染み込んでいたんだろうなって、観ながら思いました。
——そんな時代背景の中で謎解きが描かれる面白さがあったと思いますが、流れを掴むために工夫したことはありますか?
ルンルン:観終わった後に原作本を読んだので、ストーリーの流れはもちろん、“弓にもこんなに種類があるんだ”とか、小道具の一つ一つの名前もわかって、世界観が深掘りされたような感覚がありました。原作本には映画の先の展開も書かれているので、映画を観て、この後どうなったんだろうって気になった人は本もぜひ読んでほしいって強く思います。
取材・文=吉田あき
■映画『黒牢城』概要原作:米澤穂信監督・脚本:黒沢清出演者:本木雅弘、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太、柄本佑、オダギリジョー ほか