ECBレーン氏、インフレの下振れリスク指摘-柔軟な政策運営を
Kati Pohjanpalo
- フィンランド紙ヘルシンギン・サノマットとのインタビューで発言
- 通商政策の世界経済への影響などでインフレ下振れリスク高まる
欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は、インフレの先行きが不透明であることから、政策運営には「柔軟性」が求められるとの見解を示した。フィンランド紙ヘルシンギン・サノマットとの8月31日のインタビューで語った。
レーン氏は「ユーロ高やエネルギー価格の下落、コアインフレの鈍化に加え、通商政策によって世界経済が打撃を受けていることによって、インフレの下振れリスクが高まっている」と指摘。その上で「ユーロ圏の経済ショックは以前より複雑化しており、インフレを巡る不確実性は大きい。このため域内経済の変化に対応する際は柔軟性が必要だ」と語った。
ECBが今秋に利下げを行うべきだという意味かとの質問に、レーン氏は「政策委は特定の金利の道筋をあらかじめ決めているわけではなく、政策判断における十分な裁量を維持している」と述べた。
ECBはこの1年で0.25ポイントの利下げを8回実施した後、7月に中銀預金金利を据え置いた。市場では、9月11日に開かれる次回会合では2会合連続の金利据え置きになるとの見方が強い。先週公表された7月の政策委員会の議事要旨によると、インフレ見通しを巡るリスクについて、大半の委員は「おおむね均衡している」との認識を示し、消費者物価の見通しも据え置かれた。
レーン氏は「金利に関する決定は会合ごとに、その時点で利用可能な最新データに基づいて行われる」と説明。「経済成長が底堅く推移し、インフレが安定してきたとしても、ユーロ圏で安心できる理由はない」と付け加えた。
原題:ECB’s Rehn Sees Risk of Inflation Easing, Helsingin Sanomat Says(抜粋)
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