【疑心暗鬼】「グッズが出たら絶対買います」とか言ってるファンは本当に買うのだろうか? 自分のアクスタ作って売ってみた結果 …

意外に思われるかもしれないが、実は私みたいなもんにも「ファンです」と言ってくださる方が一定数おられたりする。「マジありがとう」という気持ちでいっぱいであると同時に、「ホンマか?」という疑念が拭えないのも事実だ。

そんな今日このごろ、たまに行うライブ配信などで「グッズを作ってほしい」という声がチラリホラリと聞こえるようになった。私の記憶するかぎり「出たら絶対に買う」といった趣旨の発言をしていたリスナーは、最低でも30人はいた。

失礼を承知であえて「お前たち」と呼ばせていただくが、お前たち……本当に作ったら買うんだろうなァァァ!?!?

・本当に作るかんな!?

そんな折、当ロケットニュース編集部がフリマ(サブカル市2025)に出店することになった。「各自好きなもの販売してよい」とのお達しだったので、これはチャンスとばかりに、ついに私は自分のオリジナルグッズの制作を決意。

作るのは今や推し活グッズの代表格といえる『アクリルスタンド(アクスタ)』である。本来Tシャツやらポーチといった定番グッズしか売らない大御所も、なぜか昨今は「アクスタだけは作る」というパターンが多い気がするんだよね。

ってことで、さっそく撮影だ。アクスタ制作を決めた段階で、フリマ本番まで9日しかなかった。一刻の猶予もない。

この日、私が撮影した己の画像は約2000枚。スタジオを手配するヒマもなかったので、事務所じゅうの照明機材を総動員させての大撮影会である。

そこから睡眠時間を削って候補を10枚にまで絞った。さらに他人の意見を仰ぐなどし、最終候補に残った2枚のうち、不採用となったのがコレ。

友人知人たちから圧倒的な支持を得たこのショット。私自身としても、これが一番自然かつ自分らしい表情をしていると思ったのだが……

「アップでよく見ると、ほうれい線がやや気になる」と言い出す者が出現したことにより、形勢が一気に逆転した。これほどクッキリほうれい線が出ているタイプのアクスタって、確かに見たことないかもしれない……?

・アクスタのつくりかた

そんなこんなで、最終的に “やや個性は欠けるけど、まぁアクスタとしてよく見るタイプの無難な顔とポーズ” の画像を業者に入稿することになった。注文個数は悩んだが、「グッズが出たら絶対に買う」と言ってた人の半数が来ると仮定して15個とした。

業者に問い合わせたところ、アクスタの到着予定日はイベント前日の4月18日。ただし「悪天候など予期せぬ事情により到着が遅れる場合もある」とのこと。まぁ、そりゃそうだよね。「もし前日までに届かなかったら……」と不安な1週間を過ごした私であったが……

【朗報】アクスタ、予定通り到着!

こちらが現ブツである。著名人のアクスタと並べても、素人目に遜色はないように見えた。なお価格は1個あたり2370円。た、高い……! 私の知るヴィジュアル系界隈のアクスタは2000〜3000円くらいが相場だから、原価の段階で平均市場価格と同等ということになる。

これは間違いなくロット数(発注個数)の問題なので、メジャーアーティストのアクスタの原価が一体いくらなのかは不明。ただ、それほどメジャーとはいえない方々も多くがアクスタを販売していることを考えると「アクスタって意外と儲からないグッズなのかも」と思ったりもした。

・イベント当日

そしてバッタバタのままフリマ当日。

会場の代官山は真夏の陽気でありました。

なお当日までにアクスタが到着するか否か確信が持てなかったため、私がX(旧 Twitter)でアクスタ販売とフリマ参加を告知したのはイベントの前日のこと。

実際のところ、いくら「グッズが出たら絶対に買う」と言っていた人たちだって、「明日代官山へ直接買いに来てくれ」と言われてホイホイ来れるワケも無いことは私にだって分かっていた。

よってこの検証の実際の趣旨は “「明日代官山へ直接買いに来てくれ」と言われてホイホイ来れる読者が何人いるか” であるといえよう。

フリマの開催時間は午前11時から午後5時まで。もし売れなかったら編集部メンバーが1人2個ずつ買い取る約束になっているので、私の財布そのものは傷まない。ただその場合、私のメンタルがメタクソになってしまうことは確実だ。

たのむ……私のファンじゃなくてもいいから誰か買いに来てくれェ……!!!!

・結果発表

さてフリマは大盛況で、なんかバタバタしているうちに終了。結果として亀沢アクスタ(3000円)は……

15個中12個売れました〜!!!!!

12人のうちわけは男性11人、女性1人。個人的な感覚では「ノリで買いました」みたいな方はおらず、どなた様も真っ直ぐな瞳で「亀沢アクスタください」とおっしゃっていたように思う。嬉しすぎて思わずタダであげそうになってしまった。

自分のことを応援してくれている人がどれくらいいるのか? そもそも応援してくれている人なんているのか? いるとしたらどれくらいの熱量なのか? ……ライターという仕事の特性上、それらを知る機会はほとんどない。

そんな疑心暗鬼人生の中にあって今回のアクスタ騒動は、私の自己肯定感を一気に爆上げ、承認欲求をフルに満たしてくれる出来事であった。来てくれた方、いや、ほんと、マジでありがとうございました!!!! 一生感謝します!!!!

もちろん「行きたかったけど行けなかった」という方に対しても、心から「そのお気持ちだけで嬉しいです」と思っております。盛り上げようと思って「お前たち本当に買うんだろうな?」とか言ったけど、そんなのぜ〜んぶウ・ソ・だ・よ! みんなだ〜い好き⭐︎

ありがたいことに「通販してほしい」とのお声も頂戴したのだが、来てくださった方に対して不公平が生じるので、売れ残った3個に関しては一旦保管して有効な使い道を考えたいと思う。またグッズを作る機会があるかどうかは分からないけど……その時は早めにお知らせすることを誓います。

それにしても今回のことは死ぬほど貴重な経験になったので、みんなも人生で1度くらいは自分のグッズを作ってみたらいいと思う。真剣に。

最後に何度でも言うけどアクスタ買ってくれた方、ホンマありがとうございました! 特典として「何か悩みがあったら亀沢に相談できる権利」お付けしときますね。

執筆:亀沢郁奈 Photo:RocketNews24.

▼ホンマありがとうございました♡

アクスタ残3だよ!

もう身内でいいから買ってください!

3000円って聞いて帰る人、逆にいくらだと思ったのか教えて? pic.twitter.com/uN4JwY1sTf

— 亀沢郁奈 (@ikunofuji) April 19, 2025

▼抜き打ちで様子を見に来た佐藤さん

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