NY市場サマリー(17日)米国株3指数下落、ドル上昇、利回り低下

<為替> ニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨に対して上昇した。米小売売上高の伸びが予想を上回ったことで押し上げられた。市場では米連邦準備理事会(FRB)のほか、週内に相次ぐ主要中銀の決定会合が注目されている。

商務省が朝方発表した11月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.7%増加。自動車やオンライン販売の加速に支えられ、エコノミスト予想の0.5%を上回って増加した。

FRBは17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利下げを決定するとの見方に変わりはない。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.17%高の106.97。一時は107.08%まで上昇した。

ユーロ/ドルは0.24%安の1.048825ドル。

NY外為市場:

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが不安定な取引の中で低下した。18日まで開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが広く予想されている。また、当面は金利引き下げを一時停止する方針が示される可能性が高いとみられている。

指標である10年債利回りは7日ぶりに低下し、1.4ベーシスポイント(bp)低下の4.385%となった。

2年債利回りは一時4.299%と、3週間ぶりの高水準を付けた。終盤は4.24%とほぼ変わらず。

投資家は米連邦準備理事会(FRB)の金利決定とは別に、「ドット・プロット」と呼ばれる金利見通しを含む四半期経済予測にも注目している。前回9月に発表されたドット・プロットでは、2025年末の政策金利は3.4%との見通しが示されていた。

クレディットサイツのストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は「明日のFOMCでは、短期的な政策の行方が明らかになる。おそらく、2025年の金融政策に対する期待の方向性を定めることになるだろう」と述べた。

米金融・債券市場:

<株式> 米国株式市場は下落して取引を終え、ダウ工業株30種は9営業日続落となった。この日発表の経済指標で消費の底堅さが示される中、米連邦準備理事会(FRB)の政策決定を控えて慎重ムードが強まった。ダウの9営業日続落は1978年2月以来最長。

米商務省が発表した11月の小売売上高は前月比0.7%増加。自動車やオンライン販売の加速に支えられ、エコノミスト予想の0.5%増を上回った。

18日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスポイント(bp)の利下げがほぼ完全に織り込まれている。特に注目が集まるのは同時に公表される経済見通しで、来年の利下げペースの手掛かりを与える可能性がある。

アルビオン・フィナンシャルのジェーソン・ウェア最高投資責任者は、誰もが25bp利下げを織り込み済みとした上で「パウエルFRB議長の会見での発言や経済見通しがどのような内容になるかは不透明なため、やや警戒感が広がった」と述べた。

S&Pの主要11セクターのほぼ全てが下落し、工業(.SPLRCI), opens new tabが0.9%安で下げを主導した。一般消費財セクターはテスラ(TSLA.O), opens new tabの3.6%高に支えられて唯一上昇した。みずほはテスラの目標株価を285ドル引き上げ515ドルとした。

米国株式市場:

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル高などを背景に、4営業日続落した。

米連邦準備理事会(FRB)がこの日から2日間の日程で開く連邦公開市場委員会(FOMC)では、3会合連続となる0.25%の利下げがほぼ確実視されている。市場の焦点は、会合参加者らが示す最新の経済・金利見通し「ドット・プロット」。2025年から26年にかけての利下げペースを示唆するものとして注目されている。市場では利下げサイクルが一時停止される可能性があるとの観測や、利下げペースが想定より緩やかになるとの見方も広がる中、朝方の時間帯に、米長期金利が一時上昇。対ユーロでドル高となり、ドル建てで取引される商品の割高感から金は売り圧力に押された。一方、午後にかけて米長期金利が低下したことを受け、相場は下げ幅を縮小する場面もあった。

米商務省が朝方発表した11月の小売売上高は前月比0.7%増となり、市場予想(0.5%増=ロイター調査)を上回ったほか、前月は0.5%増に上方修正された。ただ、変動の激しい自動車・同部品を除くと0.2%増と、市場予想(0.4%増)を下回った。市場への影響は限定的だった。

NY貴金属:

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、世界的な需要懸念がくすぶる中、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定を翌日に控え、利益確定や持ち高調整の売りに続落した。

FRBは17、18両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。市場は0.25%の追加利下げ決定をほぼ織り込み済みだが、最新の経済・金利見通し(ドットプロット)やパウエルFRB議長の会見での発言から今後の金融政策に関する手掛かりを得たいとの思惑が台頭。トランプ次期米政権の政策がインフレ再燃を招くとの警戒感が根強く、利下げペース鈍化観測が浮上している。こうした中、利益確定や持ち高調整の売りが先行し、相場は一時68ドル台目前まで下落。ただその後は値頃感の買いが広がり、下げ幅を縮小した。

欧州最大の経済国ドイツや世界最大の石油輸入国である中国の低調な経済指標を受け、エネルギー需要の先行きに対する懸念も相場を下押しした。ドイツのIFO経済研究所が17日発表した12月の企業景況感指数は84.7と、前月(85.7)から低下。市場予想(85.6=ロイター調査)も下回った。中国国家統計局が16日発表した11月の小売売上高は前年同月比3.0%増と、伸びは前月の4.8%増から大きく鈍化。政府は景気刺激策を強化しているが、内需の弱さが改めて浮き彫りとなっていた。

NYMEXエネルギー:

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