トルコの反政府クルド人武装組織創設者、武装解除と解散を呼び掛け
- オジャラン氏、40年間にわたる武力闘争の終結に取り組むよう促す
- PKK民兵が受け入れるかは不透明、双方に不信は依然残る
トルコの反政府武装組織「クルド労働者党(PKK)」の創設者で服役中のアブドラ・オジャラン氏は、PKKメンバーに武装を解除し、40年間にわたった武力闘争の終結に向けて取り組むよう呼び掛けた。
オジャラン氏は27日、イスタンブール近くの刑務所から「全ての集団は武器を置くべきだ。PKK自体、解散する必要がある」とのメッセージを発し、「会議を開き、決定を下す」よう促した。
メッセージはクルド系政党の人民平等民主党(DEM)が共有した。
この発表を好感し、27日の取引でトルコの代表的な株価指数であるイスタンブール100種指数は1.8%高で引けた。トルコ・リラは新興国通貨で最高の上昇率となっている。
オジャラン氏(75)はもはやPKKの日常的な運営に指示を下してはいないが、クルド分離主義勢力との和平交渉再開を目指すエルドアン大統領にとって、今回の呼び掛けは重要な意味を持つ。クルド人が多く住む地域でのナショナリズムの高まりを脅威と認識するエルドアン氏は、クルド人武装勢力との争いの解決を重要な目標に据えていた。過去40年の争いでは、数万人の死者が発生した。
クルド人勢力との和平が実現すれば、中東の勢力図塗り替えを狙うトルコの野心を後押ししそうだ。エルドアン氏への支持が高まり、同氏が目指す憲法改正と大統領任期の延長を議会が支持する可能性もある。
エルドアン氏の盟友であるデブレト・バフチェリ氏は昨年、オジャラン氏がPKK指導部に武装解除と政治的解決への参加を呼び掛けるという条件を満たせば、釈放すべきだと述べていた。
オジャラン氏もバフチェリ氏の約束とエルドアン氏の平和努力で「自分が武装解除を呼び掛ける環境がつくり出された。この呼び掛けに、自分は歴史的な責任を負う」としていた。
ただ、オジャラン氏が和平で合意したとしても、PKK民兵が拒めば意味はほとんどなくなる。最終的な合意の形は全く見えておらず、双方の不信は依然残る。
原題:Jailed Kurd Chief Makes Historic Call to End War With Turkey (1)(抜粋)