DARPA、「成長する宇宙建築、構想中」。え、どういうこと?
近未来的なワクワクをいつも提供してくれるアメリカの研究機関、DARPA(国防高等研究計画局)が新たなプロジェクトを発表しました。
これがびっくりなアイディアで、なんと微小重力環境で「成長する」大規模な生体機械構造を活用した宇宙インフラなんですって。まだ可能性を探っている段階ではありますが、500メートル以上の大規模なものを想定しているらしいのです。
実現には数多くの技術的な課題が残っていますが、超楽しそう!
宇宙で「育つ」建築物は実現可能?
DARPAの狙いは、「生物学を宇宙建築の一部に組み込む」こと。
しかし、宇宙では生物の成長プロセスが地球と大きく異なります。微小重力環境では細胞の分裂や成長、流体の移動が変化するため、大規模な生体構造を作るには新たな技術開発が必要です。
たとえば、NASAや欧州宇宙機関(ESA)は菌糸体(キノコの根のような構造)を建築材料として研究しています。現在は竹のような急成長する植物を宇宙で再現する技術はまだ確立されておらず、「どのような生物材料が宇宙で成長できるのか」を模索している段階とのこと。
つまり構想はあれど道のりは長いんですよ。
成長すれば、デブリをキャッチするネットになるかも
この建築物、用途の具体例としては、「宇宙エレベーターのワイヤー」や「宇宙ゴミ(デブリ)をキャッチする巨大ネット」「天文学用の巨大アンテナ」「宇宙ステーションの翼」「宇宙空間で即修復できる接着材」などが挙げられています。
実際どのように組み立てていくのかについては、「テント構造」が考えられているみたい。
テントの支柱に相当する部分を作って、その上に生物学的に成長する膜を組み合わせるイメージです。さらに、電子機器を組み込めば、特定の機能を持たせられるかも。
ただし、この方法で実際にどういった機能が実装できるのか、また、耐久性や制御技術などは未確定の部分が多いのが現状です。
このプロジェクトの詳細は、2025年4月にカリフォルニア州ベイエリアで開かれるワークショップで議論される予定。もし「宇宙で成長できる素材」や「バイオ建築」に関する画期的なアイデアを持っているようなら、DARPAに提案する絶好のチャンスですよ。
技術的な課題は多いとはいえ、実現すれば宇宙建築の未来を大きく変える可能性を秘めています。これをきっかけに宇宙ビジネスに参入というのも夢じゃないかもしれません。