「財務省に洗脳され金削ることばっか考えとったらあかん」自民・高市早苗氏、財政出動訴え
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は29日、ABCテレビ(大阪市)の番組で、自民党について「何をやりたい政党なのか、分からなくなってきている」と自戒し、「財務省に洗脳されて金を削ることばかり考えていてはいけない。投資&リターン。お金を入れたら、それが儲かって、税収になって、税率を上げなくても、戻ってくるという発想を広げられたらいい」と述べ、積極的な財政出動を訴えた。
「ロシアは歴史的に約束守らない」
米国が仲介するロシアとウクライナの停戦交渉を巡っては、「日本政府の姿勢がまったく見えない」と苦言を呈し、ロシアの領土拡張につながる事態を危惧した。
「武力で国境を動かせることが事実化し、それを認めてしまったら、日本にとって明日はわが身だ。東にその目が向いた時に私たちは大変なことになる」と指摘した。
ウクライナ侵攻直後の22年4月、ロシアの政党党首は北海道について「ロシアは権利を有している」と表明している。
高市氏は「ロシアというのは歴史的に絶対に国際約束を守らない国だ。日本はさんざんひどい目にあっている。ロシアと文書をかわそうが、条約をかわそうが、ほぼほぼ信用できない」と強調した。
米英露がウクライナの核放棄と引き換えにウクライナの安全保障を約束した1994年の「ブダペスト覚書」をロシアが破棄したことや、45年8月に旧ソ連が当時有効だった日ソ中立条約を破棄し、日本の領土を侵攻した事例などを挙げた。
「中国は米国と同列に考える国でない」
石破茂首相と中国の王毅共産党政治局員兼外相の3月21日の会談を巡り、中国外務省は石破首相が「中国側が詳述した立場を尊重する」と述べたと発表し、日本政府は「そのような事実はない」と抗議している。
高市氏は外務省の幹部に首相の発言の有無を確認したといい、「『中国に録音を出されても日本は全く困らない』『ロイター通信が追及したら中国の方がしどろもどろになっている』という回答が返ってきた」と明かした。
高市氏は「中国はいい加減なことを海外にも発信する国だ、と世界に分からせるのも一つだと思う」と語った。
一方、首相が米国と中国の間で「バランスに配慮しながら外交を進めている」などと語っていることについては、「さすがにカチンと来た。中国は米国と同列に考えて付き合える国ではない。全く異質の国と考えるべきだと思う」と苦言を呈した。(奥原慎平)