「韓国のハワイ」済州島、行儀の悪い外国人観光客対策のガイドラインを発表
済州島の人気スポット、咸徳海水浴場(ハムデクビーチ)で記念撮影をする観光客/Anthony Wallace/AFP/Getty Images
ソウル(CNN) 「韓国のハワイ」と呼ばれることも多い済州島が、外国人観光客に対しマナーを守るよう警告する多言語ガイドを発行した。観光客による一連の事案や無秩序な行動が話題になったことを受けた措置。
昨年済州島を訪れた観光客は1300万人を超えた。同島はきらめく青い海、緑豊かな茶畑、そして雪に覆われた盾状火山の漢拏山(ハルラサン)で有名。国際航空運送協会(IATA)の2024年版世界航空輸送統計によると、ソウルから済州島への航空便は現在、世界で最も利用者数の多い航空路線となっており、昨年は1300万人以上の乗客が1時間15分の所要時間でこの2地点を往復した。
済州島観光協会によると、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)収束後、済州島を訪れる外国人観光客の年間総数は21年の4万8278人から24年には190万人へと急増した。
こうした増加とそれに伴う困難に対応するため、韓国の「魔法の島」済州島の当局は、行儀の悪い観光客に罰金が科せられる可能性のある軽微な違反行為をまとめたガイドラインを8000部発行した。
当局によると、韓国語、英語、中国語で書かれたこのガイドラインは、地元の規制や文化に関する知識が不足している可能性のある外国人観光客への情報提供を目的としている。
例えば、指定区域以外での喫煙、交通規則に従わない道路横断、ごみのポイ捨て、環境破壊は、それぞれ5万ウォン(約5000円)の罰金が科せられる可能性がある。
「上記の違反行為は、軽犯罪の懲役刑または少額の罰金刑にも処せられる」とガイドは警告している。
コロナ後のブームに伴い、飛行機やクルーズ船が済州島を訪れる観光客を増やすにつれ、島の住民は外国人観光客の不品行に不満を訴え始めた。そうした不満はインターネット上でも共有されている。
例えば、4月には済州島のバス内で喫煙する外国人観光客の動画がネットで拡散。韓国人コメント投稿者の怒りを買った。
あるユーザーは、インスタグラム動画のコメント欄に「今すぐ強制送還して罰金を科せ。罰金を払わないなら、航空券の購入を禁止しろ」とコメントした。
別のユーザーは、「これは我が国を根本的に無視する行為ではないのか?」と疑問を呈した。
昨年夏には、済州島の歩道で排便する外国人の子どもの写真がインターネット上で激しい非難を浴び、外国人観光客への罰金の引き上げを求める声が上がっていた。
パンデミック後のオーバーツーリズム(観光公害)の問題に直面している地域は済州島だけではない。ソウルの歴史地区、北村韓屋村は昨年、騒音レベルに関する地元住民からの苦情を受けて、住民以外に対し厳しい夜間外出禁止令を導入した。