再発・難治性マントル細胞リンパ腫に対するCD19/CD20標的CAR-T細胞療法、良好な抗腫瘍効果を認める
[公開日] 2025.04.16[最終更新日] 2025.04.16
この記事の3つのポイント ・既治療または移植後の再発・難治性マントル細胞リンパ腫を対象とした第1/2相試験 ・CD19とCD20を標的とするCAR-T細胞療法の有効性・安全性を検討 ・良好な安全性プロファイルおよび有効性を示す
2025年3月31日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、既治療または移植後の再発・難治性マントル細胞リンパ腫(R/RMCL)に対するCD19とCD20を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の有効性、安全性を検証した第1/2相試験(NCT04186520)の結果がMedical College of WisconsinのNirav N. Shah氏らにより公表された。 本試験は、2種類の治療歴を有する、または移植後のR/RMCL患者17人(第1相試験=3人、第2相試験=14人)に対し、CD19とCD20を標的とするCAR-T細胞療法を実施し、評価項目として最良全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)等を検証した試験である。 本試験の結果、ORRは100%を示し、そのうち完全奏効(CR)は88%、部分奏効(PR)は12%であった。また第2相試験における90日CR率の有効性基準を達成した。また追跡期間中央値15.8ヶ月時点では、PFS、OSともに未達であった。 一方の安全性として、サイトカイン放出症候群(CRS)は94%(N=16人)の患者で確認され、グレード1-2であった。免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は18%(3人)の患者で確認され、いずれもB細胞無形成症が進行していた。 以上の結果よりNirav N. Shah氏らは、「再発・難治性マントル細胞リンパ腫に対するCD19/CD20標的CAR-T細胞療法は、検討患者全例で効果を示し、良好な安全性プロファイル、および少ない再発数であったことから、有効性および安全性が確認できました」と結論付けた。 参照元: Phase I/II Study of Adaptive Manufactured Lentiviral Anti-CD20/Anti-CD19 Chimeric Antigen Receptor T Cells for Relapsed, Refractory Mantle Cell Lymphoma(J Clin Oncol. 2025 doi:10.1200/JCO-24-02158)
ニュース 悪性リンパ腫 CAR-T療法マントル細胞リンパ腫