アップル、時価総額で首位陥落-iPhone巡る懸念で2社が投資判断下げ
- アップル株は21日に3.2%下落し、昨年11月以来の安値で終了
- アップルの時価総額は1100億余り減少し、エヌビディアを下回った
21日の米株式市場でアップルの株価は下落。アナリスト2人が投資判断を引き下げた。人工知能(AI)が期待された成長の起爆剤になっておらず、軟調なiPhone販売を巡る投資家の懸念が高まっていることがあらためて示された。
アップル株はこの日3.2%値下がりし、昨年11月以来の安値で取引を終了。株価は1月に入り11%下落しており、このままいけば月間ベースで2022年12月以来の大幅な下げとなる。昨年12月に付けた上場来高値からは14%下落している。
21日の株価下落を受け、アップルの時価総額は1100億ドル(約17兆円)余り減少し、終値ベースで昨年11月以来初めてエヌビディアを下回った。アップルの時価総額は約3兆3500億ドルで、エヌビディアは3兆4500億ドル。
ループ・キャピタルはアップル株の投資判断を「ホールド」、ジェフリーズは「アンダーパフォーム」にそれぞれ引き下げ。ジェフリーズはアップル株の投資判断を「売り」相当とする数少ない企業の一つとなった。ブルームバーグが調査するアナリストのうち、弱気な判断を示しているのは8.5%にとどまり、約63%が「買い」相当の判断を示している。
ジェフリーズのアナリスト、エディソン・リー氏は、最近のiPhone販売の低迷は予想よりも深刻で、特に中国市場が懸念材料だと指摘。
関連記事:アップルのiPhone中国販売台数、ホリデー期間に18%減-シェア低迷
同氏は第三者機関の調査を引用し、「米国の消費者はまだスマートフォンのAIを便利だと考えていない」ため、「近いうちにスーパーアップグレードサイクルが開始される可能性は低い」と分析した。
アップルは来週に24年10-12月(第1四半期)決算を発表する。
原題:Apple Loses Top-Stock Crown as Analysts Downgrade on iPhone Risk(抜粋)