NY市場サマリー(17日)株続伸、ドルが対ユーロで下落 利回り上昇

<為替> ドルはユーロに対して5カ月ぶりの安値近辺で推移した。トランプ米大統領の保護主義的な通商政策による経済的影響への懸念から、投資家はドルに対して慎重な姿勢を維持している。

ユーロ/ドルは0.4%高の1.092325ドルとなった。ユーロはドイツの財政拡張合意への期待感から上昇基調にあり、先週には10月11日以来の高値1.0947ドルを付けた。

今週は米連邦準備理事会(FRB)、日本銀行、イングランド銀行など主要中銀の政策決定会合が予定されている。当局は現在の経済的不確実性を見極めようとしているため、いずれも現状維持が広く予想されている。

ドル/円は0.4%高の149.160円。先週付けた5カ月ぶり安値146.52円からそれほど離れていない。

NY外為市場:

<債券> 利回りが上昇した。2月の小売売上高(季節調整済み)は、自動車、ガソリン、建築資材などを除く「コア」の前月比での伸びが市場予想を上回った。

米商務省が発表した小売売上高(季節調整済み)は前月比0.2%増と、前月の1.2%減(下方改定)からプラスに転じたものの、伸びは市場予想の0.6%を下回った。ただ、「コア」の伸びが予想を上回ったことを受け、利回りは取引時間中で最も高い水準に達した。 もっと見る

指標となる10年国債利回りは、0.2ベーシスポイント(bp)上昇の4.31%。

2年債利回りは、4bp上昇の4.055%。一時、2月28日以来の高水準となる4.065%を付けた。

米金融・債券市場:

<株式> 続伸して取引を終えた。ナスダック総合(.IXIC), opens new tabとS&P総合500種(.SPX), opens new tabが4週連続で下落したことを受け、割安感が出た銘柄が物色された。トランプ政権の政策の影響を測るために最新の経済データを評価する動きもあった。
17日発表された2月の小売売上高は前月比0.2%増と、前月の1.2%減(下方改定)からプラスに転じた。ただ、トランプ大統領が打ち出す関税や連邦政府職員の大量解雇を巡る不透明感を反映し、市場予想を下回った。 もっと見る
3月のニューヨーク州製造業業況指数はマイナス20.0と、前月のプラス5.7から悪化し、約2年ぶりの大幅な落ち込みとなった。 もっと見る
電気自動車(EV)大手テスラ(TSLA.O), opens new tabは4.79%下落。みずほ証券が同社の目標株価を515ドルから430ドルに引き下げたことが嫌気された。
半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの年次開発者会議が始まる中、量子コンピューティング関連株が上昇。Dウェーブ・クアンタム(QBTS.N), opens new tabは10.15%、クアンタム(QMCO.O), opens new tabは40.09%、それぞれ急伸した。

米国株式市場:

<金先物> 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を控え様子見ムードが広がる中、5営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比5.00ドル(0.17%)高の1オンス=3006.10ドル。中心限月の清算値ベースでの最高値更新は3営業日連続。前週末14日には清算値ベースで初の3000ドル台乗せを達成していた。

NY貴金属:

<米原油先物> 地政学的リスクの高まりや中国の景気刺激策への期待を背景に買われ、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物は前週末清算値(終値に相当)比0.40ドル(0.60%)高の1バレル=67.58ドルだった。5月物は0.46ドル高の67.37ドル。

NYMEXエネルギー:

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