NASA火星探査車が着陸したクレーターの隣にある山が火山だった可能性

NASA=アメリカ航空宇宙局の火星探査車「Perseverance(パーシビアランス)」が2021年2月に着陸した火星のジェゼロ・クレーター(Jezero Crater)。

そのすぐ隣にある山が火山だった可能性が高いとする研究成果を、アメリカの研究者らのチームが発表しました。

【▲ 3Dで再現されたジェゼロ山(高さは約3倍に強調)(Credit: Georgia Institute of Technology/Cuevas-Quiñones et al.)】

山の名前はジェゼロ山(Jezero Mons)で、高さは1.57km。ジェゼロ・クレーターの南東側の縁に接しています。

様々な火星探査ミッションのデータ解析や他の火山との比較を行った研究チームは、ジェゼロ山が火山である可能性が高いと結論付けました。

Perseveranceがサンプルを採取した火星の岩石には、堆積岩だけでなく火成岩も含まれていることがわかっています。

研究チームは、採取された火成岩の一部がジェゼロ山に由来すると考えており、サンプルが地球に持ち帰られることに期待を寄せています。

“湖に隣り合う火山”が生命活動を支えた可能性も

【▲ 湖があった頃のジェゼロ・クレーターの想像図。湖の手前右側にあるのがジェゼロ山(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

かつてジェゼロ・クレーターにあったとされる湖の存在時期と、ジェゼロ山の活動時期が重なっている可能性は低いと研究チームは考えています。

その一方で研究チームは、湖に隣接した火山が生命にとって重要な熱源になった可能性を指摘。

火星では火山だと認識されていない山が他にも存在する可能性があることから、今回の成果は地球外生命探査の観点からも注目されます。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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