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環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)

 かつて純粋な眼差しで世界に向けて気候変動問題を訴えた無垢な少女──成人を迎え、路上に座り込む表情はどこか不敵な笑みを浮かべている。

【写真】スウェーデンの活動家・グレタさん(22) ロンドンで現地の警察に捕まった瞬間の様子

 スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(22)が、英政府がテロ組織に指定している団体を支持するデモに参加したとして、ロンドンで地元警察に逮捕された。

 グレタさんが参加したデモは、12月23日朝、ロンドン市内のフェンチャーチ・ストリートで行われた。親パレスチナ団体「パレスチナ・アクション」の活動に関連して拘束されている囚人の処遇改善を訴えていた。

 パレスチナ・アクションを巡っては、2025年6月に同団体の活動家がオックスフォードシャー州のブライズ・ノートン空軍基地に侵入し、軍用機2機に赤い塗料を吹きかける事件を起こした。これを受けて英政府は同年7月、パレスチナ・アクションをテロリズム法に基づくテロ組織に指定している。

 大手紙国際部記者はグレタさん逮捕の経緯をこう解説する。

「パレスチナ・アクションがテロリズム法に基づくテロ組織に指定されたことで、同団体を支援することも違法になりました。つまり、加入することはもちろん、支持を表明するだけで罰せられます。

 デモを主催した団体『プリズナーズ・フォー・パレスチナ』はグレタさんが拘束される際の動画をSNSに掲載しています。グレタさんは歩道に座って『私はパレスチナ・アクションの囚人たちを支持する。ジェノサイド(大量虐殺)に反対だ』と書かれたプラカードを手に持っています」

 冒頭の様子はこの動画に残されたグレタさんだ。

「警察官が近づき、プラカードを取り上げてグレタさんに立つよう指示しますが、グレタさんは従いません。周囲では『パレスチナに自由を』とデモ参加者が叫ぶ一方、『テロリストを早く連れていけ』とヤジを飛ばす人もいて、騒然としました」(同前)

 デモは大手損害保険会社のオフィス前で行われた。理由は同社がイスラエルに拠点を置く防衛関連企業エルビット・システムズにサービスを提供しているからだという。パレスチナ・アクションが取る直接行動の多くはイスラエル関連の軍需企業に対する器物損壊行為だ。

 グレタさんは取り調べの後にすでに保釈されているが、警察は2026年3月に出頭するよう命じているという。

 グレタさんは15歳のときにスウェーデンの首都ストックホルムにある国会議事堂前で「気候のための学校ストライキ」を1人で始め、注目を集めた。16歳のときには国連の気候変動サミットで演説し、「よくもそんなことを(How dare you)」と強い言葉遣いで気候変動問題に関する「怒りのスピーチ」を行った。

 グレタさんは10代の頃に"環境少女"として世界中から認知されるようになり、インスタグラムのフォロワー数は1600万人を超える。近年は活動の幅を広げてパレスチナ問題にも取り組むようになり、身柄を拘束されるケースも増えた。

「グレタさんは2025年に入って、パレスチナ自治区ガザに支援物資を海路で届ける『グローバル・スムード船団』に乗り込みましたが、10月に同船団はイスラエル軍に拿捕されました。

 結局、グレタさんはギリシャのアテネ国際空港に強制送還されましたが、拘束された活動家らはイスラエルで虐待を受けたと主張し、グレタさんも『拘束中の虐待や不当な取り扱いについてはいくらでも話せる』と述べています。

 パレスチナ問題などでグレタさんは活動家としてより直接的な行動に参加するようになっており、今後も注目を集めるでしょう」(前出・大手紙国際部記者)

 行動は過激化しているようだ。

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