アングル:ルビオ氏の政治的命運、マドゥロ氏失脚でベネズエラと結び付く

写真はルビオ米国務長官。1月7日、米ワシントンの連邦議会議事堂で撮影。REUTERS/Evelyn Hockstein

[ワシントン 13日 ロイター] - 国務長官から国家安全保障担当補佐官まで兼務するマルコ・ルビオ氏は第2次トランプ米政権で影響力が絶大であり、軍服姿でベネズエラの支配者となった姿を描く最近の画像など人工知能(AI)生成の画像がネット上で大量に拡散している。

このオンラインジョークはルビオ氏にとってとりわけ感慨深い。キューバ移民の息子であるルビオ氏は共産主義国家のキューバにとって最大の同盟国であるベネズエラと、その長年の指導者であり1月3日に麻薬取引の容疑で米軍に拘束されたマドゥロ大統領に長年激しい怒りを向けてきたのだ。

この軍事的な成功はルビオ氏にとって個人的な勝利だった。しかし、2016年に大統領選に出馬した経験があり28年の有力候補と見なされるルビオ氏にとって、政治的にプラスの面もあるが同時にマイナスの面も伴う可能性があるだろう。

ルビオ氏は現在、ベネズエラがマドゥロ氏の拘束によって生じた空白から政治的な混乱に陥らず、自らがかつて若き上院議員として思い描いた民主的な未来を目指すようにかじを取る責任を担っており、ルビオ氏の政治的命運がベネズエラ自体の政治的命運と密接に結び付いている。

ルビオ氏は16年の大統領選でトランプ氏に敗れており、28年にバンス副大統領と共和党候補の座を争う可能性があるだろう。バンス氏は抑制的な外交政策を支持し、米国の外国に対する介入を推進するルビオ氏のタカ派的な姿勢と対照的だ。ルビオ氏の姿勢はトランプ氏の米国第一主義運動「MAGA」運動の一部から批判されている。彼らはルビオ氏を米国の外国に対する介入の拡大を提唱する「ネオコン」と見なしているのだ。

「政権は今後数カ月、あるいは今後数年にわたってベネズエラ問題に取り組むことになるだろう。こうした事情はルビオ氏にとって政治的にも重荷になりかねないだろう」と、ケイトー研究所の防衛・外交政策研究ディレクターのジャスティン・ローガン氏は述べた。

バンス氏の事務所はこの記事に対するコメントを控えた。

米国務省のトミー・ピゴット副報道官は「政権が全体としてトランプ大統領の目標を達成するために結束している。つまり、ベネズエラをわれわれの国家安全保障を脅かす麻薬テロリストの違法政権に抑圧された国から地域のパートナーである安定した国に移行させることだ」と述べた。

<亡命政治>

今回のベネズエラに対する作戦は、ルビオ氏をしばしば混乱が起きる政権の中でも有能な人物だと見なすオンライン上の支持者の一部でルビオ氏のイメージを高めた。

今回の作戦はまた、ルビオ氏の地元フロリダでも支持を強化した。ルビオ氏は幼少期をマイアミの筋金入りの反共主義的なキューバ系コミュニティで過ごし、元側近によると、その時代の経験がルビオ氏の世界観を根本的に形作ったという。

共産主義や社会主義に対する闘いは「ルビオ氏のDNAの一部」であり「政治的アイデンティティの核心部分だ」とルビオ氏の首席補佐官を11年から14年まで務めた共和党の戦略家セサル・コンダ氏は述べた。

「ここはわれわれの縄張りだ。トランプ大統領はわれわれの国家安全保障が脅かされることを許さない」とルビオ氏は今週、国務省の交流サイト(SNS)に投稿した。

ベネズエラの民主化復帰が実現すれば、ルビオ氏のフロリダの政治基盤はさらに強化されるだろうし、トランプ政権がマドゥロ排除を利用し、ベネズエラの助成金付きの原油輸入に依存しているキューバに変化をもたらせばなおさらだろう。トランプ氏はキューバに向かうベネズエラ産原油や資金はもうなくなったと述べ、キューバ政府に米政府と取引するべきだと示唆した。

ベネズエラに対する作戦は南フロリダのベネズエラ系とキューバ系の米国人の間で非常に人気が高く、26年の中間選挙で共和党に有利に働く可能性があるとフロリダに拠点を構える共和党戦略家フォード・オコンネル氏は主張した。

ただし、オコンネル氏は中南米政策が28年の共和党の大統領候補選びに影響する可能性は低だろうと付け加えた。トランプ氏がキングメーカーであり現時点でバンス氏支持に傾いていると述べた。

トランプ氏自身はルビオ氏とバンス氏の二人を後継者候補として繰り返し言及し、二人が彼の目から見て有力候補であり、互いに大統領候補と副大統領候補となる可能性があるとはっきりと表明している。

「もしも二人がチームを組めば無敵だと思う」とトランプ氏は昨年10月に語った。

<民主的移行は?>

54歳のルビオ氏はベネズエラ政府の社会主義政権ととりわけそのハバナとの緊密な関係を非難し、17―21年の第1次トランプ政権下でベネズエラに対する制裁強化に取り組んだ。

ルビオ氏の国務長官としての初の外遊がその関心事を明確に示した。昨年2月に中米とカリブ諸国を歴訪した際、ドミニカ当局に押収されていたベネズエラの当時のロドリゲス副大統領の使用機を正式に差し押さえた。

ルビオ氏はロドリゲス氏が権力にとどまることを認めるトランプ氏の決定を支持し、トランプ政権と新指導者との連絡役の先頭に立っている。しかし、ルビオ氏はノーベル平和賞の受賞者マリア・コリナ・マチャド氏を含めたベネズエラの野党指導者と長年関係を築いており、ベネズエラ国民に対して民主化の希望を語ってきた。

ルビオ氏は7日、3段階の計画を発表した。最終的に民主的に移行するまでに米国がベネズエラの安定を確保し、米企業がエネルギー部門の再建を支援する形で復興を監督し、反体制派のメンバーが投獄から解放されるか亡命先から帰国できるようにするとしている。

ベネズエラ政府は9日に囚人の釈放を開始し、トランプ氏は石油企業の幹部と会談して投資を促した。

しかし、民主的なベネズエラに向けた道のりは依然として長いままだ。

外交問題評議会の研究員のウィル・フリーマン氏は「ルビオ氏がトランプ氏と政権内の重要な多数派に対して、事態がフェーズ2を超えて進展することが彼らの利益になるとどのように説得するのだろうか」と問いかけた。

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Humeyra Pamuk is a senior foreign policy correspondent based in Washington DC. She covers the U.S. State Department, regularly traveling with U.S. Secretary of State. During her 20 years with Reuters, she has had postings in London, Dubai, Cairo and Turkey, covering everything from the Arab Spring and Syria's civil war to numerous Turkish elections and the Kurdish insurgency in the southeast. In 2017, she won the Knight-Bagehot fellowship program at Columbia University’s School of Journalism. She holds a BA in International Relations and an MA on European Union studies.

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