戸田恵梨香、細木数子の週刊誌記事に驚き「記者を誘って飲むなんて」:朝日新聞

インタビュー

聞き手・照井琢見

戸田恵梨香さん=東京都港区、倉田貴志撮影

 Netflixで4月27日から配信されているドラマ「地獄に堕ちるわよ」は、かつてその毒舌でテレビを席巻した占師・細木数子さん(2021年に死去)の半生に基づく物語だ。細木を演じるのは戸田恵梨香。外見も口調も似ているとは言いがたい。だがその演技には、言いしれぬ迫力と説得力がある。どのように生み出したのか。

 ――そもそも、占いはお好きですか。

 「すごく好きです。よくお話は聞きますね。ただ、自分が悩んでいることに答えを見いだそうとしているときに、その答えが正しいのか、自分の感情に正直になれているのか。そうしたことに対して、一つのヒントにするような向き合い方ですね。全てをうのみにする価値観ではないですね」

 「ラッキーカラーが赤だよ、と言われたら、赤なんだ、と思うぐらい。別に赤いモノを持つかというと、別に持たないかな」

 ――細木さんが「視聴率の女王」と呼ばれていた頃、すでに戸田さんも芸能界で活躍していました。細木さんをどう見ていましたか。

 「本当に人気があって、たくさんの番組をお持ちだと認識はしていました。ただテレビを見る時間がない時期で、ちゃんと見た記憶がないんです」

 「だから『地獄に堕ちるわよ』とか『アンタ死ぬよ』だとか、そういう強烈なワードをおっしゃっていた記憶が、ない。今回、この作品をやるにあたって色々な動画を見ましたけど、やはりそういうキーワードはカットされていて……。資料があるけどない。そんな状態になっていて、1人でドギマギ緊張していました」

細木数子(戸田恵梨香、中央)がテレビ局員たちに囲まれながら歩く=Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」から

 ――演じるにあたり、テレビに出演していた当時の細木さんを見られていなかったことを後悔しませんでしたか。実在した人物を扱う今回のドラマには、配信前から賛否の声がありましたね。

 「今さらだけど、見ておけばよかったって思いましたね。実在した方を演じるときって、だいぶ昔に亡くなられている場合が多くて、イメージが湧くけど湧かない、ぐらいの抽象的な存在だったりするじゃないですか」

 「でも今回は本当に記憶に新しい方。これだけ賛否が巻き起こるぐらい影響力が大きい人だったんだと思うと、自分も見ようと思ったら見ることができたのに、と思います」

「私じゃないと思います」

 ――今回の企画に出会って、細木さんについての印象は変わりましたか。

 「テレビの時代をちゃんと見ていなかったので。生きのいいガハガハ笑っているおばちゃんが、占いしたりご飯作ったりしている、みたいな姿しか知らなかったんです。それが、第1話の台本を読んだときに、こんな壮絶な人生を経験していたんだということに衝撃を受けました」

細木数子(戸田恵梨香、左)と、彼女が生涯で誰より愛した男・堀田雅也(生田斗真)=Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」から

 ――第1話では戦後の混乱期に、強烈な飢えと向き合う姿が描かれました。

 「本当に興味を持たざるを得ない人物だと思いました。興味がたくさん湧いてきて、資料も読みたくなるし、そそられるんですよ」

 ――どんな資料を読んだんですか。

 「ご著書やNetflixのプロデューサーの方が集めてくださった週刊誌、細木さんが取材を受けた記事も全部見ました」

 ――かつて「週刊朝日」には、細木さんご本人が記者と居酒屋で飲み食いしながら取材に答える記事もありました。

 「見ました。覚えてます。私も週刊誌に書かれる側なので、『一緒にご飯行きましょう』と自分で誘って飲んで説教をしながら過ごすなんて、絶対にないことなんです。それもやっぱり、細木さんの策があってのことなのかなって思っちゃうし、色々なことを常に計算されていた人なんだろうなって思いました。臆測ですけれどね」

 「演じてみると、思っていた以上に『孤独を感じていた人』だったのではないかと思いました。テレビにたくさん出ていたのも、その孤独を埋めるためじゃないかって」

細木数子を演じる戸田恵梨香=Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」から

 ――演じるにあたり、どんなことに悩みましたか。

 「このお話をいただいた時に、まず私の骨格があまりにも細木さんと違うので、どこまで自分が近づけるのかなってすごい不安を抱えたんです」

 「(役を演じるために)一番自分が増量するのに成功したのが『スカーレット』というNHKの朝ドラ。あの時でプラス5キロが自分の限界だった。体質的にすぐに痩せちゃうタイプなので、体重を上げるっていうことが難しくて。(細木さんの)あの骨格に近づける自信がなかった」

 「もしあの体格をまねしなくちゃいけないんだったら、近づかなくちゃいけないんだったら多分できないなと思って、一度はお断りしたんですよね。私じゃないと思いますって言って」

戸田恵梨香さん=東京都港区、倉田貴志撮影

 「だけどプロデューサーの方が『まねしなくていいんです』って。その体格もそうだし、しゃべり方もやらなくていいです。とにかくものまねしないでくださいって言われて」

 「細木数子っていう人物の人生を描きたいのに、あの人自身をまねるとものまねが目についてノイズになってしまうから、それはやらないでください。ただ『地獄に堕ちるわよ』っていう言葉が戸田さんの声で聞こえたんです、って言われました」

 「結構、その言葉が勇気になったと言いますか。脚本から浮かんで出てきた、自分が思う『数子』を役に投影したいというふうに思いました」

「細木さんには褒めてもらえるんじゃないか」

 ――見た目以外では、いかがでしたか。

記事後半では、細木さんの特有の「口調」などについて戸田さんが語ります。戸田さんが話し方をまねると、本当にそっくり。でも、ドラマの中ではこの口調は出てきません。戸田さんが考える、その理由は。

 「細木さんって、『○○なん…

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この記事を書いた人

照井琢見
文化部|映画担当
専門・関心分野
エンタメ、性をめぐる常識・偏見

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