ヴァチカン、世界的なカトリック教会分派の信者らを破門 異例の厳しい対応
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キリスト教カトリック教会を率いるローマ教皇庁(ヴァチカン)は2日、保守的なカトリック分派の聖ピオ十世会(SSPX)の信者らを破門すると発表した。同会は前日、教皇レオ14世の直接の指示に反して、新司教4人を叙任していた。
ヴァチカンは布告で、聖ピオ十世会に所属する司教6人が破門されたとした。また、極めて異例なこととして、聖ピオ十世会に「正式に所属する」信者らも「分裂者とみなされ、破門される」と宣言。同時に、同会を離れる人々については、「心からの愛情」をもって再び受け入れるとした。
ヴァチカンはその後、すべての信者が自動的に破門されるわけではないと追加説明。聖ピオ十世会の儀式に「習慣的に参加」し、「正式にその教義上の立場を共有する」人々は破門されると明確にした。
破門は教会による最も厳しい罰の一つ。対象者を事実上、教会から追放し、カトリックの生活から排除する。洗礼を受けた信者が破門されると、教会との「交わりから外れた」状態となり、告解やローマ・カトリック教会での結婚ができなくなる。
ヴァチカンは布告で、「聖ピオ十世会の聖職者らは不正に秘跡を授けている。彼らが授ける告解の秘跡や、彼らが立ち会う結婚は無効である」とした。
聖ピオ十世会は、1960年代のローマ・カトリック教会の近代化改革「第2ヴァチカン公会議」に異を唱える人々によって、1970年に設立された。信者は世界中で約60万人と推定されている。
同会は、ミサの方法について変更を受け入れず、今もラテン語で執り行う。司祭は会衆ではなく祭壇に向かって立つ。女性信者は礼拝で頭を覆う傾向があり、信者は概して社会的に保守的とされる。
同会はまた、他のキリスト教宗派や他の宗教との対話を増やすという現代カトリック教会の姿勢にも、反対の立場を取っている。
拠点は主にアメリカとフランスにある。イギリスでも26カ所でミサを行っており、ロンドン南部ウィンブルドンに主要施設がある。
聖ピオ十世会は1980年代にも、司教らがヴァチカンに背いたとして破門されたが、その決定は後に覆された。近年は、ヴァチカンと同会との間で和解に向けた努力がなされてきた。
しかし、同会が1日、スイスで新司教4人を叙任したことで、関係した司教らが破門されることが広く予想された。
ヴァチカンが実際にとった対応はかつてないほど強硬で、予想以上に厳しいものだった。聖ピオ十世会に所属し続ける信者全員まで破門にするとしたことに、大勢が驚いた。
伝統主義的な同会は、今やローマ・カトリック教会の権力中枢からかつてないほど遠ざかっている。ただ、聖ピオ十世会の信者の多くは、真の教義から逸脱したのは自分たちではなく、ヴァチカンの方だと考えている。
英領チャンネル諸島のジャージー島の信者リタ・リードさん(76)は、聖ピオ十世会の儀式は現代のカトリック教会のものよりはるかに「奥深い」もので、「イエスの真の存在」を感じるものだと説明。カトリック教会の標準的なミサは「あまりに弱々しくて、どっちつかず」だと批判した。
リードさんは以前は、聖ピオ十世会とカトリック教会の両方のミサに参加していたが、カトリック教会のミサでは、たとえば「結婚前に性交してならないなど」、かつて教えられていた伝統的な価値観をもはや教えないと不平をもらした。
「多くの若い人が『新しい式次第』のミサに行って、『ああそういうことをしてもいいんだ』と考えてしまうと思う」と、リードさんは話した。
今回のヴァチカンの布告については、「実際のところ、自分がとても強くなった気がした」と言い、「昨日の聖別式の前に夫に、『たとえ私たちが破門されても、どうぞそうしなさい、何も変わりはしない』と言ったところだ」と話した。