トランプ大統領、イスラエルとイラン「大規模な衝突」あり得る

トランプ米大統領は12日、イスラエルがイランを攻撃する可能性は「十分あり得る」との認識を示す一方、イランの核開発プログラムを巡る交渉が継続中であり、攻撃を控えるよう助言したと明らかにした。米政府は中東地域から職員らを退避させており、軍事衝突の懸念が一段と高まっている。

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  トランプ氏はホワイトハウスのイベントで、「差し迫っていると言いたくないが、十分起こり得る状況にあるようだ」と記者団に語った。

  大統領はその後、イランの核開発問題で米国は外交的解決に引き続き力を尽くすが、イランは「核兵器を保有する望みを完全に断念する必要がある」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。

  「私の政権全体にイランとの交渉を指示した。彼らは偉大な国になれるだろうが、まず核兵器を保有する望みを完全に諦めなければならない」と主張した。

  トランプ氏は最近、イランとの核協議について合意できるか以前ほど自信が持てないと発言。大統領はこれまでも外交的解決を望む意向を繰り返し示してきたが、イランによる核兵器保有は容認しないと明言しており、合意に至らなければ軍事行動も辞さない構えを示している。

  事情に詳しい関係者によると、ウィットコフ中東担当特使は15日日にオマーンの首都マスカットで、6回目となるイランとの核協議に臨む予定だ。だが、トランプ氏はこれまで、イランが厳しい条件を突き付けており、核濃縮活動の完全放棄に関する要求を拒否していると述べている。

  当局者によると、イランは核開発プログラムを巡り攻撃を受けた場合、中東地域の米資産を攻撃する構えを見せており、米政府は在イラク米大使館の一部職員の退避を命じた。

  また米国務省はイスラエルに滞在する米政府職員およびその家族に対し、テルアビブやエルサレムなどの主要都市以外への移動を当面控えるよう指示した。

  トランプ氏は「大規模な衝突が起こる可能性がある」と発言。「この地域には多くの米国人がいる。だから退避するよう促す必要がある。近く何かが起きる可能性があり、警告も出さずにミサイルが飛び交うような事態は招きたくない」と語った。

  イランはこれに先立ち、核開発を巡り国際原子力機関(IAEA)から非難決議を受けたことに反発し、新たなウラン濃縮施設を建設すると表明した。

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   イスラエルは、米国の支援があろうとなかろうとイラン攻撃の権利を留保していると主張している。CBSニュースは、イスラエルがイランへの軍事作戦の準備を整えているとの情報を米国側が受け、中東からの退去を勧告したと報じた。

  ABCニュースは、イスラエルが近日中にイランに対し軍事行動を取ることを検討していると報じた。

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原題:Trump Sees Chance of ‘Massive Conflict’ Between Israel and Iran(抜粋)

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