どこよりも早い! サッカー日本代表、2026年W杯メンバー予想。優勝を目指して戦うチームはどうなる?

サッカー日本代表は、20日のFIFAワールドカップ26(W杯)アジア最終予選(3次予選)でバーレーン代表と対戦し2-0で勝利。この結果、全世界一番乗りでのW杯本大会出場が決まった。ここから、メンバー生き残りをかけたサバイバルが始まってくるが、果たして大舞台に臨むのは誰になるのか。どこよりも早く、W杯メンバーを予想する。(成績は20日時点)

ゴールキーパー

【写真:Getty Images】

鈴木彩艶(すずき・ざいおん) 生年月日:2002年8月21日 所属クラブ:パルマ(イタリア)

日本代表通算成績:17試合10失点

 森保一監督からの信頼度を鑑みると、鈴木彩艶のワールドカップ(W杯)メンバー入りは「当確」と言える。おそらくは正守護神として大舞台に立つことになるはずだ。

 192cmと長身の鈴木は、リーチの長さを活かした守備範囲の広さが売り。抜群の反射神経を持ち合わせているため、失点してもおかしくない場面を神がかり的なセービングで切り抜けることができる。

 2024/25シーズンに加入したパルマでは、開幕からレギュラーの座を確保。“守備の国”イタリアでの経験が血肉となり、鈴木は一回りも二回りも成長している。

 一方、不用意な飛び出しをはじめとする判断ミスがいまだ散見されるのは今後の改善点。AFCアジアカップ2023では不安定なポジショニングやキャッチミスで失点に絡み、多くの批判を浴びた。

 とはいえ、日本代表とパルマで責任ある立場を任され、鈴木が短所を修正しているのも確かだ。森保ジャパンがベスト8以上の高みに到達するためには、この男の躍進が欠かせない。

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大迫敬介(おおさこ・けいすけ) 生年月日:1999年7月28日 所属クラブ:サンフレッチェ広島

日本代表通算成績:8試合6失点

 森保一監督の“秘蔵っ子”である大迫敬介も、問題なくワールドカップ(W杯)メンバーに選ばれるだろう。2019年に日本代表へ初選出されてから、大迫は指揮官から厚い信頼を得続けている。

 大迫の魅力は、若さに似合わぬ落ち着きと安定感あるセービングだ。ピンチと見るや鋭い出足でシュートストップしてしまうシーンは、サンフレッチェ広島ファンからすれば見慣れた光景かもしれない。

 2018シーズンのトップチーム昇格以降、着実に成長を遂げている大迫は広島の絶対的守護神としての地位を確立。2024シーズンは栄光の背番号「1」を受け継ぎ、J1リーグでは自身初の全試合フルタイム出場を果たした。

 おそらく森保ジャパンの正守護神は鈴木彩艶になるだろう。だが、大迫はただのバックアッパーではなく“いつでも正ゴールキーパー(GK)になれる存在”に位置付けられるはずだ。

 他のGK陣にない魅力を多数兼ね備える男は、来るべき瞬間に備えて着々と準備を整えている。

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谷晃生(たに・こうせい) 生年月日:2000年11月22日 所属クラブ:FC町田ゼルビア

日本代表通算成績:2試合0失点

 東京オリンピック(五輪)での躍進、カタールワールドカップ(W杯)の落選を経て、谷晃生は1年後の大舞台に参加する権利を勝ち取るだろう。

 元バレーボール選手の母を持つ谷は、187cmの恵まれた体格を活かしたハイボール対応に強みがあるゴールキーパー(GK)だ。

 2024シーズンは期限付き移籍で加入したFC町田ゼルビアで正守護神として活躍。J1リーグでは、出場停止のために欠場した1試合を除く37試合に先発出場し、クラブ史上初のJ1で3位と大躍進したチームを最後方から支えた。

 現実的には第3GKとしての参加になるだろうが、町田で結果を出している谷のW杯行きは可能性が高そうだ。

 なお、余談ではあるが、谷は2018年のブラジル遠征でロドリゴ(現:レアル・マドリード)擁するU-19ブラジル代表を完封。全年代を通してブラジル代表戦を無失点で切り抜けた日本人GKは“マイアミの奇跡”の時の川口能活と谷だけである。

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【写真:Getty Images】

 カタールワールドカップ(W杯)の悔しさを糧に、板倉滉は4年間で飛躍的な成長を遂げた。1年後の大舞台では、最終ラインの要として相手の攻撃を跳ね返す板倉の姿が見られるはずだ。

 カタールW杯・ラウンド16でクロアチア代表と対戦した日本代表は、PK戦の末に敗れて涙を飲んだ。板倉は累積警告による出場停止のために同試合をスタンド観戦。力になりたいのになれないもどかしさを味わった。

 大会終了後、板倉はボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)で自己研鑽に励んだ。対人守備や空中戦は以前にも増して強さが際立つようになり、パス出しの技術も一段上のレベルに引き上げた。2023/24シーズン後半戦はボランチとして起用される場面もあり、あらためて足元の技術の高さを見せつけている。

 ボルシアMGで絶対的な主力の座に君臨する板倉は、満を持して自身二度目のW杯に臨むだろう。森保一監督が、酸いも甘いも噛み分けて円熟味が増した男をメンバーリストから外すことは考えにくい。

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町田浩樹(まちだ・こうき) 生年月日:1997年8月25日 所属クラブ:ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)

日本代表通算成績:16試合0得点1アシスト

 北中米ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選における森保一監督からの重宝ぶりからすれば、町田浩樹は問題なくW杯メンバー入りを果たすだろう。

 アジア最終予選の6試合で先発メンバー入りを果たした町田は、190cmのサイズ感とラインコントロールの巧さが魅力だ。

 現代サッカーで貴重とされる左利きセンターバック(CB)であり、相手プレスからボールを遠ざけながらビルドアップに参加できる利点も持つ。森保ジャパンの3バック左の位置は、もはや町田のポジションになった感すらある。

 また、CB以外に左サイドバックもこなせる町田をメンバーに入れておくことで、森保監督は戦術的な選択肢を多く持てる。

 想定外の事態が起こり得るW杯では、相手の出方や試合展開に応じて4バックにスライドするケースも十分に考えられる。試合中の役割変更にも難なく対応できる戦術理解度の高さも、町田のW杯メンバー入りを確信させる要素の1つである。

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伊藤洋輝(いとう・ひろき) 生年月日:1999年5月12日 所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)

日本代表通算成績:20試合1得点2アシスト

 長引いた右足中足骨骨折の呪縛から解き放たれた伊藤洋輝は、ワールドカップ(W杯)メンバー入り「当確」と言えるだろう。

 伊藤のポテンシャルの高さは、2024/25シーズンに加入したバイエルン・ミュンヘンでもあらためて証明されている。

 加入直後に負傷して長期離脱を強いられたため、世界的名門クラブでのデビューは2月12日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・ノックアウトフェーズ1stレグのセルティック戦まで待たなければならなかった。だが、伊藤は長い間試合から遠ざかっていたとは思えないほどの素晴らしいパフォーマンスを披露。復帰後すぐにチームの重要な戦力となった。

 森保ジャパンにおいて、3バック・4バックどちらにも対応できる伊藤の存在意義は大きい。188cmの長身ながらスピードがあり、ビルドアップ能力も秀逸。

“高さ・強さ・速さ・巧さ”の四拍子が揃ったハイレベルなセンターバックは、最終ラインの要として1年後の大舞台に立つはずだ。

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冨安健洋(とみやす・たけひろ) 生年月日:1998年11月5日 所属クラブ:アーセナル(イングランド)

日本代表通算成績:42試合1得点2アシスト

 冨安健洋の才能に疑いの余地はない。最大の懸案事項である負傷さえクリアできれば、間違いなくワールドカップ(W杯)メンバー入りを果たすはずだ。

 188cmの長身ながら抜群のスピードを誇る冨安は、相手の高さと速さを同時に封じることができる貴重な存在だ。森保一監督はこれまで冨安を守備戦術の核と見なしてきた感があり、よほどのことがなければ代表メンバーから外さないだろう。

 その“よほどのこと”が起こるとすれば、前述した負傷による離脱だ。度々怪我に見舞われてきた冨安は、2024年7月のプレシーズン中に右膝を負傷。長期離脱を強いられ、今年2月には負傷再発のため二度目の手術に踏み切った。復帰目標は2025年末。キャリアの中で最も難しい時期を過ごしている。

 だが、森保監督が実戦復帰から半年ほどの冨安をW杯に連れて行く“賭け”に出る可能性は十分にあり得る。ベスト8以上の高みを目指すのであれば、この男はリスクを負ってでも招集したい超逸材だからだ。

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谷口彰悟(たにぐち・しょうご) 生年月日:1991年7月15日 所属クラブ:シント=トロイデン(ベルギー)

日本代表通算成績:32試合1得点1アシスト

 世界の強豪と相対することになるワールドカップ(W杯)では、時に経験豊富なベテランの力が必要になる。森保ジャパンにおいて年長者としてチームを支える役割を担うのは谷口彰悟になるはずだ。

 森保ジャパンの最終ラインでは冨安健洋や板倉滉といった選手が主力として起用され続けてきたが、谷口はいつでも頼れる戦力として自身の役割を全うしてきた。

 怪我がちな冨安が不在の際には、先発メンバーとして安定したパフォーマンスを披露。経験を活かした鋭い読みで相手の攻撃を跳ね返し、質の高いパスでビルドアップの起点にもなれる谷口の存在は、森保一監督にとって大きな助けとなっただろう。

 北中米W杯・アジア最終予選で4試合に先発した谷口だったが、2024年11月に左アキレス腱断裂の大怪我を負った。現在は回復段階の途上ということもあり、W杯本大会までにカムバックできるかどうか不透明な部分もあるが、コンディション調整にもベテランの経験則が大いに反映されるに違いない。

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中山雄太(なかやま・ゆうた) 生年月日:1997年2月16日 所属クラブ:FC町田ゼルビア

日本代表通算成績:22試合0得点2アシスト

 森保一監督が選ぶであろうワールドカップ(W杯)メンバーのポジション分布を考えると、中山雄太をリストに加えておく意義は大きいと思われる。指揮官が第1次政権時代および東京オリンピック(五輪)で中山に信頼を置いていたという事実からも、W杯行きの可能性はそれなりに高そうだ。

 左利きセンターバック(CB)という有用性の高さもさることながら、中山の強みはウイングバック(WB)もこなせるユーティリティ性にある。右のウイングバックには堂安律や伊東純也といった攻撃的な選手から、菅原由勢や関根大輝ら本来ディフェンダーの選手も控えており、戦力が充実している。

 一方、左のWBには三笘薫や中村敬斗といった“槍”タイプしかおらず、守備的な役割を担える人材が不足。左サイドの守備を固めるシチュエーションを想定するうえで、中山はうってつけの存在なのだ。

 長年森保監督の下でプレーしており、戦術理解も問題なし。“転ばぬ先の杖”として、中山の入閣が現実味を帯びている。

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関根大輝(せきね・ひろき) 生年月日:2002年8月11日 所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)

日本代表通算成績:0試合0得点0アシスト

 ワールドカップ(W杯)メンバー発表では、“サプライズ選考”がメディアやファンを賑わせることがある。これまでの森保ジャパンの傾向からサプライズが起きる可能性は低いが、もしも関根大輝が選ばれれば十分に「驚きの選考」と言えるだろう。

 関根をメンバー入りさせるメリットは大きい。現在は187cmの大型右サイドバック(SB)として鳴らしているが、高校生までの本職はセンターバック。SBにコンバートされたのは大学1年生の時だった。

 そのため、状況に応じて両ポジションをこなすことができる。3バック・4バックどちらにも対応可能な関根がいれば、森保一監督は戦術的な選択肢を享受できる。

 日本代表に初選出されたのは2024年10月。高井幸大が負傷のため招集外になった事に伴い、代替選手として急遽追加招集された形だった。

 完成度を高めている森保ジャパンの中でどこまで機能するか未知数な部分もあるが、スケールの大きいプレーを見せる関根にはロマンを感じさせられる。

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 2024/25シーズンに加入したサウサンプトンでは本来のプレーができずに苦戦しているものの、菅原由勢の能力に疑いの余地はない。森保一監督にとって、高い攻撃センスを持つこの男をワールドカップ(W杯)に連れて行かない手はないだろう。

 本職が右サイドバックの菅原は、高精度のクロスやパス、オーバーラップとインナーラップの使い分けの妙でチームの攻撃に厚みをもたらすことができる選手だ。

 また、直接フリーキックも得意としており、膠着した試合展開を打破する“飛び道具”を備えている点も魅力の1つである。

 W杯本大会では、状況に応じてリスクを負ってでも攻めに出なければいけないシチュエーションがあるはずだ。3バックを採用する森保ジャパンでは役割が限られるかもしれないが、時折顔を覗かせる守備対応への不安を補って余りあるほどの攻撃能力を持つ菅原は、いざという時の“ゲームチェンジャー”として期待できる。

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堂安律(どうあん・りつ) 生年月日:1998年6月16日 所属クラブ:フライブルク(ドイツ)

日本代表通算成績:56試合10得点9アシスト

 森保ジャパンのウイングバック(WB)は重要な戦術的役割を担っている。森保一監督が栄光の背番号「10」を背負う堂安律に求めるものは非常に多い。

 森保監督はこれまでアタッカータイプの選手をWBとして起用してきた。さらに、左サイドには右利き、右サイドには左利きと逆足の選手を配置。レフティーの堂安は右のWBを主戦場としている。

 左の三笘薫がスピードと緩急でサイドをぶち抜くタイプなのに対し、堂安はポジショニングやコンビネーションを活用した突破が得意。両サイドで異なる崩しを仕掛けたい指揮官とすれば、他の選手と異なる特徴を持つ堂安をワールドカップ(W杯)メンバーから外す手はない。

 所属クラブのフライブルクで右WBを経験しているという背景も、堂安にとっては追い風となる。カタールW杯でドイツ代表やスペイン代表を相手に重要なゴールを決める勝負強さを見せつけた男は、満を持して自身二度目の大舞台に臨むだろう。

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伊東純也(いとう・じゅんや) 生年月日:1993年3月9日 所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)

日本代表通算成績:61試合14ゴール23アシスト

 戦術的要素が強まる現代サッカーでも、時折強烈な“個”が相手の組織を破壊することがある。爆発的なスピードで対峙するディフェンダーを無効化する伊東純也もそのような選手の1人だ。

 50メートルを5秒台前半で走る伊東をウイングバックに置く意義は大きい。最大の武器である爆発的なスピードを活かした縦への突破と高精度のクロスは、相手からすれば「分かっていても止められない」レベル。また、フルタイムを走破できるスタミナがあり、たとえ守備に奔走する時間があっても攻め上がりの余力を残しておくことができる。

 近年は得点力も飛躍的にアップ。思えば、3年前のアジア最終予選で敗退の危機に陥った日本代表が最終的にカタールワールドカップ(W杯)行きの切符を手にしたのも、4試合連続ゴールを決めた伊東の決定力によるところが大きかった。

“戦術・伊東純也”と称されるほどの影響力を持つ男が、W杯行きを逃す可能性は限りなく低いだろう。

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三笘薫(みとま・かおる) 生年月日:1997年5月20日 所属クラブ:ブライトン(イングランド)

日本代表通算成績:27試合8得点8アシスト

 1年後のワールドカップ(W杯)本大会で森保ジャパン浮沈のカギを握るのは、おそらく三笘薫になるだろう。世界最高峰の舞台であるプレミアリーグでも充実の出来を披露しているこの男はW杯メンバー入り「当確」と見て間違いない。

 森保ジャパンの攻撃は“左の三笘”抜きでは語ることができない。スピードと緩急で対峙する相手を手玉に取るドリブルは所属クラブのブライトン、そして日本代表でも猛威を振るっている。

 また、近年は得点力も目に見えて向上しており、2月14日(現地時間)に行われたプレミアリーグ第25節のチェルシー戦では頭上を越えた味方GKからのロングパスを華麗なトラップでコントロールし、正確な右足シュートを突き刺した。同ゴールは2月のプレミアリーグ月間最優秀ゴールに選出されている。

 ブライトンで毎週ハイレベルな試合をこなして異次元の進化を遂げた三笘が、森保ジャパンの左ウイングバック最有力候補であることに疑いの余地はない。

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中村敬斗(なかむら・けいと) 生年月日:2000年7月28日 所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)

日本代表通算成績:15試合8得点1アシスト

 左ウイングバック(WB)の先発が三笘薫になるからといって、同ポジションでのプレー機会が多かった中村敬斗の存在価値が下がるわけではない。北中米ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選で三笘との“共存”が可能であることを示した男は、森保一監督に多くの戦術的選択肢を与えられるだろう。

 2024年10月15日に行われたアジア最終予選第4戦のオーストラリア代表戦(△ 1-1)で、森保監督は後半途中の70分から中村を投入。左WBに据えると、三笘を1列上のシャドーに配置換えした。

 1点ビハインドの状態で仕掛けたこの策は見事に当たり、76分には内側にいた三笘の外を回った中村が左サイドを突破して相手オウンゴールを誘発。「中村敬斗×三笘薫」の有効性が証明された。

 今月13日の日本代表メンバー発表の場で、森保監督は中村のフォワード(FW)起用の可能性も示唆している。所属クラブのスタッド・ランスでFWとして結果を出している中村は、森保ジャパンで新境地を開こうとしている。

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 森保ジャパンでキャプテンの重責を担ってきた遠藤航は、ワールドカップ(W杯)メンバー入り「当確」で間違いない。負傷などの想定外のアクシデントがない限り、この男の選外はあり得ない。

 ブンデスリーガで“デュエル王”に君臨していた遠藤の対人守備能力は、今もなお衰えを知らない。

 2023/24シーズンに加入したリバプールでは出場機会の減少という危機に見舞われながらも、一度試合に出場すれば素晴らしいパフォーマンスを披露。急遽本職ではないセンターバックを任された時にも、しっかりと自身に与えられた役割を全うしている。

 中盤に攻撃的な選手が多い森保ジャパンのチーム編成にあって、守備に強みがある遠藤を外すのは“自滅行為”にあたる。また、大声を張り上げてチームメイトを鼓舞するタイプではないものの、遠藤は背中で語るタイプのリーダーとしてすでに森保ジャパンの精神的支柱となっている。

 ボランチ2枚のうち1枠は遠藤で埋まると見ていい。

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守田英正(もりた・ひでまさ) 生年月日:1995年5月10日 所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)

日本代表通算成績:40試合6得点4アシスト

 遠藤航が森保ジャパンの中盤の番人であるとするならば、守田英正は“頭脳”にあたる。この男もワールドカップ(W杯)メンバー入りは「当確」と言えるだろう。

 遠藤のようにフィジカルで相手を制圧するシーンは少ないが、守田は読みの鋭さを活かしたクレバーなディフェンスに強みを持っている。また、足元の技術が高いために相手のプレッシャーをいとも簡単にかわすことができ、推進力のあるドリブルや決定的なパスといったゴールに直結するプレーを繰り出せる点は、遠藤にない魅力だ。

 ピッチ全体を俯瞰して見ているかのような視野の広さは秀逸で、味方からボールを引き出す際のポジショニングも絶妙。パス回しが目詰まりを起こした時の“出口”になれる守田は、チームメイトに「呼吸をさせられる」選手なのである。

 守田と遠藤のダブルボランチは、森保ジャパンの生命線だ。遠藤と同様に、負傷などの想定外のアクシデントがない限りメンバー入りは堅い。

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佐野海舟(さの・かいしゅう) 生年月日:2000年12月30日 所属クラブ:マインツ(ドイツ)

日本代表通算成績:4試合0得点0アシスト

 森保ジャパンの中でも中盤は“激戦区”となっている。特にボランチは遠藤航と守田英正の鉄板コンビに加え、田中碧も虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。もしもこのボランチ枠で“サプライズ選考”が行われるとしたら、それは佐野海舟のメンバー入りになるかもしれない。

 最も、佐野がドイツで披露しているプレーぶりからすれば、ワールドカップ(W杯)メンバー入りは決してサプライズではない。2024/25シーズンに加入したマインツの中盤では圧倒的な存在感を放っており、“狩る”という言葉がぴったりなボール奪取は必見。また、奪ったボールをすぐさま前線につなげる能力にも磨きがかかっている。

 2024年7月の不同意性交疑惑により、佐野のW杯メンバー入りはハードルが上がっている。だが、現状ではW杯行きの可能性が完全に断たれたわけでもない。

 あくまで純粋にプレー面の評価に徹するのであれば、佐野が1年後の大舞台に立っていても何ら不思議ではない。

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田中碧(たなか・あお) 生年月日:1998年9月10日 所属クラブ:リーズ・ユナイテッド(イングランド)

日本代表通算成績:31試合8得点1アシスト

 ダブルボランチには遠藤航と守田英正が君臨しているが、森保一監督が田中碧を見限ることはないだろう。イングランドで着実に成長しているこの男は、ワールドカップ(W杯)行きの切符を手にするはずだ。

 “三笘の1ミリ”をゴールに結びつけるなど、田中はカタールW杯で印象的な活躍を見せた。あれから月日が流れ、期待の若手枠だった田中も日本代表の重責を引き受ける中堅の立場に。遠藤や守田のバックアッパーではなく、先発としてチームを勝たせる働きが求められている。

 2024/25シーズンに加入したリーズ・ユナイテッドでは、移籍初年度ながら中盤の要として主力に定着。カタールW杯の時から際立っていた強烈なミドルシュートや前線への飛び出しといった長所は新天地でさらに磨きがかかり、ゲームコントロール力や危機察知能力の高さを活かした守備力といった武器も加わった。

 より完成度の高いミッドフィルダーとなった田中は、森保ジャパンの新たな生命線となるかもしれない。

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久保建英(くぼ・たけふさ) 生年月日:2001年6月4日 所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)

日本代表通算成績:41試合6得点13アシスト

 所属クラブのレアル・ソシエダで異次元のプレーを披露し続けている久保建英は、ワールドカップ(W杯)メンバー入り「当確」と判断していいだろう。シャドーの役割が肝となる森保ジャパンにおいて、久保に懸かる期待は大きい。

 ゲームを作る能力が求められるシャドーは、久保の持つ能力を余すことなく発揮できるポジションなのかもしれない。切れ味鋭いドリブルや視野の広さを活かしたラストパスといった久保の特徴は、よりゴールに近い位置でこそ怖さを最大化させられるからだ。

 ボランチからスピードある楔のパスが入ってくるシーンでは、足元の技術の高さが効果を発揮。ボールをピタリと止め、狭いスペースでも素早く反転できるため、一瞬で決定機を生み出せる。

 北中米W杯・アジア最終予選では、シャドーの“相棒”である南野拓実と試合中に立ち位置を入れ替え、相手守備をかく乱。森保ジャパンの理想のシャドー像を体現した。

 攻撃戦術の核となった久保はW杯行きの切符を手にすると見て間違いない。

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鎌田大地(かまだ・だいち) 生年月日:1996年8月5日 所属クラブ:クリスタル・パレス(イングランド)

日本代表通算成績:39試合9得点5アシスト

 2024/25シーズンに加入したクリスタル・パレスでは思うような活躍ができていないからといって、鎌田大地の存在価値が貶められることはない。森保ジャパンで重要な役割の担い手となり得る男は、ワールドカップ(W杯)メンバーの座をしっかりと確保するはずだ。

 森保ジャパンのシャドーには南野拓実や久保建英といった才能あふれる人材が揃っているが、鎌田は彼らとはまた一味違う個性を持っている。

 マークがつきにくい“浮いた”位置でパスを受ける感覚は絶妙。ライン間で決定的な仕事ができるため、相手守備を一瞬で破壊することが可能なのだ。鎌田はシャドーに求められる能力をハイレベルに備えている。

 また、リンクマンとしてパス回しの中継地点になれる鎌田がピッチにいるだけで、日本代表の攻撃展開はよりスムーズになる。チーム全体の有機性を重んじる森保一監督は、味方の良さを最大限に引き出すことができる天才肌のミッドフィルダーを重要な戦力として数えているに違いない。

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南野拓実(みなみの・たくみ) 生年月日:1995年1月16日 所属クラブ:モナコ(フランス)

日本代表通算成績:66試合24得点11アシスト

 南野拓実は、カタールワールドカップ(W杯)の屈辱を晴らすチャンスを手にするだろう。1年後のW杯メンバー入りは「当確」と見ていい。

 カタールW杯・ラウンド16でクロアチア代表と対戦した日本代表は、PK戦の末に敗れて涙を飲んだ。南野は先攻の1人目という最も緊迫感に包まれるシチュエーションでペナルティスポットに向かい、そして相手GKにキックを阻まれた。

 “人生最悪の日”から多くのことを学んだ男は、2022/23シーズンに加入したモナコでさらに進化。ライン間でのボールの受け方や一瞬で状況を打開する反転の質は、リバプール時代よりハイレベルなものになっている。

 森保ジャパンが採用する[3-4-2-1]システムでは、ボランチやウイングバック、センターフォワードと連係しながら相手の組織を破壊する2シャドーの戦術的役割は大きい。9番も10番も、そして時には8番の役割もこなすことができる南野はシャドーの筆頭格として欠かせない存在なのだ。

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【写真:Getty Images】

 森保ジャパンの先発ストライカーは上田綺世でほぼ決まりだ。豊富なゴールパターンを持つ“日本代表史上最高レベルのストライカー”がワールドカップ(W杯)メンバーから漏れる可能性は、限りなくゼロに近い。

 日本人離れした圧倒的な身体能力を持つ上田は、182cmの身長以上のインパクトがある空中戦の強さや両足から放たれるパワフルなシュートが武器。スピードがあり裏抜けの技術も高く、相手GKとの一対一を冷静に制する落ち着きも備えている。

 3月16日に行われたエールディヴィジ(オランダ1部リーグ)第26節のトゥウェンテ戦(〇 6-2)では2ゴールを挙げ、かつてオランダ代表の名FWだった現フェイエノールト指揮官のロビン・ファン・ペルシ監督をして「トップストライカーを見た」と言わしめた(3月16日掲載/オランダメディア『nieuwsblad』)。

 完成された万能型フォワードと化した上田はこれまでも、そしてこれからも森保一監督のファーストチョイスであり続ける。

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前田大然(まえだ・だいぜん) 生年月日:1997年10月20日 所属クラブ:セルティック(スコットランド)

日本代表通算成績:22試合4得点0アシスト

 これまで森保ジャパンで披露してきたプレーぶり、そして2024/25シーズンにおけるセルティックでの活躍を加味すれば、前田大然はほぼ確実にワールドカップ(W杯)メンバー入りを果たすだろう。

 前田の最大の武器といえば、50メートル5秒台の快足と、1試合の間に幾度となく繰り返される猛烈なスプリントだ。今季のチャンピオンズリーグ(CL)ではリーグフェーズの6試合で208回ものスプリントを記録(1月13日掲載/ チャンピオンズリーグ公式X)。今季CL最多の数値を叩き出した。

 また、今季の前田はスピードやスプリントといった特徴以外に、ストライカーとしての才能も開花している。公式戦42試合で奪ったゴールは28得点。決定力にも磨きをかけ、まさに“鬼に金棒”といった状態だ。

 森保ジャパンのフォワード陣に似たタイプがいないため、前田の希少性はより高い。この男の超人的な数々の能力は、W杯で対峙する世界の強豪にとって悪夢となるはずだ。

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小川航基(おがわ・こうき) 生年月日:1997年8月8日 所属クラブ:NECナイメヘン(オランダ)

日本代表通算成績:9試合9得点1アシスト

 北中米ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選における小川航基は、頼れるスーパーサブとして存在感を放ってきた。1つしかないセンターフォワードの椅子を上田綺世と争うことになるこの男も、高確率でW杯行きの切符を手にするだろう。

 アジア最終予選の6試合中、小川が先発を飾ったのは2試合にとどまる(4試合途中出場)。だが、それでも11月19日に行われた第6節の中国代表戦(〇 3-1)では2ゴールをマーク。負傷によって11月シリーズを欠場した上田の不在を忘れさせるような活躍を披露した。

 数少ないチャンスを確実にゴールへと結びつける決定力の高さは魅力的で、ポストプレーの巧みさでは上田よりも一歩前に出ている。

 途中出場からでも確実に結果を残してくれる“必殺仕事人”は、森保一監督もジョーカーとして手元に置いておきたいはず。1年後の大舞台でも、小川はチームが最も苦しい時に光り輝くに違いない。

【写真:Getty Images】

古橋亨梧(ふるはし・きょうご) 生年月日:1995年1月20日 所属クラブ:スタッド・レンヌ(フランス)

日本代表通算成績:22試合5得点2アシスト

 森保ジャパンで長らく“冬の時代”を過ごしてきた男にも、ようやくスポットライトが当たりそうだ。決定力と裏抜けを武器に欧州でゴールを量産し続けてきた古橋亨梧は、現実味が薄れていたワールドカップ(W杯)メンバー入りを果たすかもしれない。

 セルティック在籍時の古橋は、ストライカーとして圧倒的な成績を収めていた。2022/23シーズンにはスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部リーグ)で得点王を獲得(27得点 ※プレーオフ含む)。日本人初となる欧州主要リーグでの得点王に輝いた。だが、日本代表ではなぜか序列が低く、カタールW杯では落選の憂き目に遭っている。

 第2次政権の森保ジャパンにも古橋の居場所はないかと思われていたが、ここにきて招集の機会が増えている。今月13日に発表された日本代表メンバーにも11月シリーズに続いて選出されており、明らかに風向きが変わってきている。

 今年30歳を迎えた生粋のストライカーがW杯メンバーに滑り込む可能性は十分にある。

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