【令和8年度最新】ついに国民年金が「満額7万円台」に! 厚生年金は“夫婦2人”でいくら支給される?“増額の背景”と注意点もあわせて「改定後の年金額」を確認
公的年金の給付額は、物価や賃金の動きに合わせて毎年度見直される仕組みです。これは法律によって定められており、物価が上昇すれば年金額も一定程度引き上げられます。ただし、単純に物価と連動するわけではなく、物価変動率や名目賃金変動率を基準に「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整が行われます。
令和8年度の改定状況
令和8年度の年金額は、前年度比で国民年金(基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%引き上げられます。これらの改定は、令和7年の物価変動率や賃金動向を踏まえた上で行われるものです。ここからは、厚生労働省が示す標準的な年金受給モデルから、夫婦2人世帯の年金額を具体的に比較します。モデルは「夫が平均的な収入で40年間働き、妻が専業主婦の世帯」です。月額は図表1のようになります。図表1厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてより筆者作成
令和8年度では、夫婦2人分の年金が前年度より月額ベースで4495円増えています。これは国民年金(老齢基礎年金)1人分の増額分と合わせたものです。
年額に換算すると、夫婦2人世帯で5万3940円の増額となります。決して小さな金額ではありませんが、生活費や税金・社会保険料の変動を考慮すると必ずしも大きな余裕が生まれるとはいえないでしょう。なお、ここで示した金額は、夫が会社員として厚生年金に加入し、妻が専業主婦であった「標準的なモデル世帯」を前提としています。自営業や共働き、厚生年金の加入期間が短い場合など、年金の加入・納付状況によって実際の受給額は変わる点には注意が必要です。改定の実感はどれくらい? 増額の背景と注意点
年金額は確かに引き上げられますが、「思ったほど生活が楽にならない」と感じる人も少なくないでしょう。今回の年金改定は、物価や賃金の上昇を反映したものです。つまり、年金が増える背景には、すでに日常生活の支出が増えているという現実があります。食料品や光熱費、日用品などはここ数年で値上がりが続いており、月に数千円の年金増額があっても、その分が生活費の上昇に吸収されてしまうケースは珍しくありません。そのため、数字上は増えているけれど、家計はあまり変わらないと感じやすくなるのです。
マクロ経済スライドにより伸びは抑えられている
年金額の改定では、マクロ経済スライドという仕組みが適用されます。少子高齢化が進むなかでも年金制度を維持するため、物価や賃金が上昇しても年金の伸びを一定程度抑え緩やかに給付水準を調整する仕組みです。その結果、物価が大きく上がった年であっても、年金額の増加率は控えめになる傾向があります。
税金や保険料に影響する場合も
年金収入が増えると、所得税や住民税、介護保険料などが影響を受ける可能性があります。特に、所得税の基礎控除や公的年金控除の範囲内に収まるかどうかが重要です。増えた年金収入が税金負担の増加につながると、手取り額の増加が抑えられる場合もあるでしょう。
年金増額を踏まえた家計設計
年金の増額分は月に数千円程度ですが、医療費や日用品の補てん、固定費の見直しなどに充てることで家計の安定につながります。しかし、年金だけで老後の生活すべてを賄うのは難しいのが現実です。退職金や貯蓄、個人年金などほかの資金と組み合わせ、インフレや将来の支出増も見据えた全体設計を意識することが大切です。
年金増額をきっかけに老後のお金を見直そう
令和8年度の年金額は、国民年金・厚生年金共に前年より引き上げられます。夫婦2人世帯の厚生年金で見ると月額約4500円、年額にすると約5万4000円の増額となります。しかし、物価や税金負担の影響を考えると、必ずしも生活にゆとりが生まれるとは限りません。年金の増額には物価や賃金の変動が影響しており、制度全体の持続可能性を保つための調整も加えられているためです。年金だけに頼らず、公的年金を基盤にしながら貯蓄や資産運用を組み合わせた老後の家計設計をしましょう。
出典
厚生労働省 令和8年度の年金額改定について執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー