プーチン氏、ウクライナ停戦期間に全ての兵器供給停止を要求-関係者
ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領が18日、電話で会談した。会談は米東部時間18日午前10時(日本時間午後11時)に始まり、1時間半ほどで終了したとNBCが報じた。ロシア国営タス通信も、ペスコフ大統領府報道官の情報だとして会談の終了を確認した。
いずれも会談内容の詳細には触れていない。米国はウクライナが受け入れ意思を示している30日間の停戦でロシアの合意取り付けを目指していた。
会談に先立ち、プーチン氏はトランプ氏が提案する停戦の期間にウクライナに対する兵器供給を全て停止させるよう要求していると、事情に詳しい関係者は明らかにした。
欧州の高官および、ロシアの立場に詳しいモスクワの3人の当局者によると、プーチン氏は停戦合意に欠かせない条件として、兵器供給の停止を挙げているという。
ロシア大統領府のペスコフ報道官はコメントの要請にすぐには応じなかった。ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)はコメントの要請に応じなかった。
ロシアはウクライナに対する全ての兵器供給の停止を望んでいるものの、最低限の目標は米国の支援停止だと、ロシア大統領府の意向を知るモスクワの関係者2人が述べた。
欧州は停戦期間中にウクライナへの兵器供給を完全に止めるというロシアの要求に合意することには極めて消極的だと、欧州高官は語った。そのような結果は、停戦期間中にロシアは再軍備が可能な一方、ウクライナはそれができない状況となるリスクがあるからだと説明した。
欧州に対する戦争
ドイツの次期首相就任が有力なメルツ・キリスト教民主同盟 (CDU)党首は18日、防衛支出増額のための大型財政パッケージの議会採決前に、ロシアのウクライナに対する戦争は欧州に対する戦争でもあると述べた。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は同日、EUは安全保障能力を再構築し、2030年までに自衛できるようにならなければならないとコペンハーゲンで主張。ロシアは戦時経済に向かって「後戻りできない道」を進んでいるとし、同国の大規模な軍事投資は「ウクライナでの侵略戦争を後押しすると同時に、欧州の民主主義諸国との将来の対決に備えている」と指摘した。
米ロ首脳の電話会談に先立ち、スターマー英首相はトランプ氏と会話し、「公正かつ永続的な平和」の確保にはウクライナを「可能な限り強い立場」に押し上げなければならないと述べたと、同首相の報道官が明らかにした。
プーチン氏は米国の停戦案を原則的には支持するとしつつ、ロシアが合意するには多数の条件が満たされる必要があると注文を付けている。ブルームバーグは12日、プーチン氏は恐らく停戦に合意するだろうが、まず自身の条件が確実に満たされるようにしてからだろうと報じた。
英国と欧州連合(EU)はいずれも、可及的速やかにウクライナに新たな軍事パッケージを届けられるよう取り組んでいる。
主権で妥協せず
ウクライナのシビハ外相は18日、米ロ首脳の電話会談を前に、主権や領土での妥協や、軍事同盟に加入する可能性を制限するような和平合意を受け入れることはないと明言した。
インドのニューデリーで開かれた安全保障会議の出席に際し、軍事能力に対する制限の受け入れや被占領地をロシア領として認めることは決してないとシビハ氏は述べた。
「われわれは和平実現への障害ではない。停戦にロシア側の無条件での支持を実際期待している」と語った。
原題:Kremlin Says Putin-Trump Call Is Over: Tass、Putin Is Said to Want Arms to Ukraine Halted for Trump Truce (1)、Ukraine Won’t Accept Compromises to Sovereignty, Minister Says、EU Needs Surge for Defense Against Russia, Von Der Leyen Says、*MERZ: RUSSIA’S WAR ON UKRAINE IS ALSO A WAR ON EUROPE(抜粋)