ヘビとにらみ合うライオン、柱にしがみつくナマケモノ 野生生物写真コンテストの今年の優秀作品は
(CNN) 今年の野生生物写真家コンテストで高く評価された作品はいずれも、ちょっとしたドラマの一場面を切り取ったかのような写真だった。
ある1枚には、ライオンの雌が岩の端から顔をのぞかせてコブラとにらみ合う姿が捉えられている。別の1枚では、ナマケモノがまるで命がけのように有刺鉄線のフェンスの柱にしがみついていた。別の1枚には、1頭のゾウがごみ処分場で色とりどりの廃棄物の山をかき分けて歩いている様子が写し出されている。
毎年恒例の写真コンテストを主催するロンドン自然史博物館によると、今年は世界中の写真家から過去最多となる6万636点の応募があった。
審査員はこの中から展示する100点を選び、10月14日には各部門の受賞者とともに大賞などが発表される。
写真は空中、水中、地上とあらゆる角度から撮影され、世界各地の自然の一瞬を切り取っている。
写真家の中には、こうした瞬間をとらえるためにあらゆる手段を講じる人もいる。バーティー・グレゴリー氏は南極の氷棚に生息するコウテイペンギンのコロニーで2カ月を過ごし、ひなたちが氷の斜面を伝って海に下り、餌を探す様子を観察した。
だが、あるグループはルートを見逃してしまい、ひなたちが15メートル下の水に飛び込まなければならなくなる直前の様子を撮影。曇り空や流氷を背景に棚氷を横切るひなたちの遠足の様子をフレームにおさめた。
一方、ラルフ・ペイス氏はカリフォルニア州の沖合で、クラゲの群れを撮影する際、クラゲに刺されるのを避けようと体にワセリンを塗り、水中に潜った。
野生動物と人間の間のしばしば緊張を伴うやり取りに焦点を当て、写真が保護活動に役立ち、環境の脅威に対する意識を高めることができる方法を浮き彫りにした写真家もいた。
スリランカのごみ処分場を歩くゾウを撮影したラクシサ・カルナラトナ氏の写真は、ごみあさりが動物にとっていかに危険で致命的になりうるかを改めて浮き彫りにした。
コスタリカで道路を横断するナマケモノを見守ったエマニュエル・タルディ氏は、車の渋滞が発生する中、ナマケモノがようやくフェンスの柱にたどり着き、そこにしがみつく様子を目撃した。生息地の分断が進むことで、次の木にたどり着くまでに何度も地上を横断しなければならなくなることが多くなるにつれて、こうした光景はますます頻繁に目撃されるようになっている。