ウクライナ大統領のクリミア固執発言、和平交渉の障害=トランプ氏
トランプ米大統領は23日、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアによるクリミア占領を承認しないと発言したことについて、ロシアとの和平合意の達成を困難にする扇動的な発言だと非難した。2024年12月撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
[ワシントン 23日 ロイター] - トランプ米大統領は23日、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアによるクリミア占領を承認しないと発言したことについて、ロシアとの和平合意の達成を困難にする扇動的な発言だと非難した。
トランプ氏はソーシャルメディアに「この発言はロシアとの和平交渉にとって非常に有害だ」と投稿。クリミアは何年も前に失われたものであるとして「議論の材料にもならない」と一蹴した。
ゼレンスキー大統領は22日、ウクライナはロシアによるクリミア占領を承認しないと改めて表明し「ここで議論すべきことは何もない。これは我が国の憲法に違反している」とした。
これに対しトランプ氏は「ゼレンスキー氏のような扇動的な発言のせいで、この戦争の解決が非常に困難になっている。彼には誇れるものが何もない!」と厳しい調子で批判を繰り返した。
ホワイトハウスのレビット報道官も記者団に対し、ゼレンスキー大統領は誤った方向に進んでいると指摘。トランプ大統領はウクライナ戦争終結に向けた交渉の進展ぶりに不満を持っているとし、「平和を望み、殺りくの停止を望んでいるが、そのためには戦争の両当事者の意思が必要だ」と述べた。
トランプ氏の発言を受けウクライナのシビハ外相は、ロシアとの戦争を終結させるためにウクライナは米国との協力に引き続きコミットしていると表明。「ウクライナは世界の誰よりも戦争の終結を望んでいる。戦争を終結させるという目標を達成するために協力すると確約する」と述べた。
この日は、ロンドンで米英仏とウクライナの代表団が和平を巡る協議を実施。米国のルビオ国務長官は出席していない。 もっと見る
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