トランプ米大統領、フーシ派への攻撃命令-紅海での航行妨害に対応
トランプ米大統領は15日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が支配する地域への軍事攻撃を命じたと発表した。紅海の輸送路では数カ月にわたって混乱が生じていた。
トランプ氏は今回の攻撃について、イスラム組織ハマスとの連帯を名目にフーシ派がスエズ運河やその南部に位置する紅海を航行する船舶に海上攻撃を仕掛けていることに対応するためだと説明した。
トランプ政権当局者はフーシ派への攻撃に関し、バイデン前政権の下で実施されたものよりも広範囲に及び、数週間とはいかないまでも数日は続くと述べた。
トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「こうした執拗(しつよう)な攻撃で米国や世界経済は何十億ドルもの損失を被り、同時に罪のない人々の命が危険にさらされている」と投稿。「われわれは目的を達成するまで、圧倒的な殺傷力を行使する」と表明した。
トランプ氏はその後、X(旧ツイッター)への投稿で「全てのフーシ派テロリストたちよ、時間切れだ」と記した。
フーシ派による度重なる攻撃により、多くの欧米の荷主はこのエリアを避け、アフリカ南端を遠回りするようになっている。
米軍による攻撃の規模や範囲については、現時点で分かっていない。
フーシ派メディアはイエメンの首都サヌアや同グループの主要拠点であるサーダ州で空爆があり、15人が死亡、少なくとも19人が負傷したと報じた。
ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)報道担当者にコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
フーシ派は数日前、より多くの支援がパレスチナ自治区ガザに届けられなければ、イスラエル船舶への攻撃を再開すると主張していた。
米国や英国、イスラエルは船舶やイスラエルへの攻撃を阻止するため、2024年の早い時期からイエメンのフーシ派拠点に対する空爆を実施していたが、今年1月にガザでの停戦が始まって以降、停止していた。
原題:Trump Launches Military Strikes on Houthi Fighters in Yemen (2)(抜粋)