G20、重要鉱物に対する一方的な貿易規制からの保護強化求める-草案

Alberto Nardelli

  • 中国の輸出規制を暗に示唆、バリューチェーンの耐性強化目指す
  • 今週末にヨハネスブルクでサミット、米国は参加ボイコット

20カ国・地域(G20)は、重要鉱物を一方的な貿易措置から保護する取り組みの強化を求めた。トランプ米大統領が仕掛けた貿易戦争の中で中国が実施した大規模な輸出規制を暗に示唆している。

  ブルームバーグ・ニュースが確認した文書草案によると、G20は「地政学的な緊張や、WTO(世界貿易機関)規則に反する一方的な貿易措置、パンデミック、または自然災害などがもたらす混乱に対し、バリューチェーンの耐性を高めることを目指す」としている。

  米国との貿易摩擦が激化する中で、中国は今年に入り、重要鉱物への支配力を外交手段として活用し、ミサイルから携帯電話に至るまであらゆる製品の製造に不可欠な金属への世界的なアクセスを制限する許可制度を導入した。

  トランプ大統領は先月、中国の習近平国家主席と合意した通商対立の休戦によって、米国だけでなく「世界が」これらの鉱物へのアクセスを取り戻したと述べた。

  草案には、重要鉱物資源を「繁栄と持続可能な開発の原動力」とすることを目的とした、自発的かつ拘束力のない指針が盛り込まれている。

  今週末にヨハネスブルクで開かれるG20サミットに習近平国家主席は欠席。李強首相が代わりに出席する。

  G20サミットをボイコットしている米国は、共同声明を採択しないよう議長国の南アフリカに正式な書簡で警告した。声明を採択したとしても、米国の見解を反映しないと主張している。

原題:G-20 Calls to Shield Critical Minerals From Sweeping Trade Curbs

(抜粋)

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