土星の衛星タイタンに着陸した「ホイヘンス」が見た世界【今日の宇宙画像】
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、土星探査ミッション「カッシーニ・ホイヘンス(Cassini-Huygens)」の着陸機「ホイヘンス」が撮影した『土星の衛星タイタンの表面』の画像です。実際の色味を強調した画像処理が施されています。
【▲ 着陸機「Huygens(ホイヘンス)」のカメラで撮影された土星の衛星タイタンの表面(Credit: NASA/JPL/ESA/University of Arizona)」】ホイヘンスは、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同で進めた土星探査ミッション「カッシーニ・ホイヘンス」の一環として、1997年に打ち上げられ、2005年に土星の衛星タイタンに着陸しました。この探査により、タイタンにはメタンやエタンの湖が存在することが判明し、水が循環する地球のように、炭化水素が循環する世界であることが明らかになりました。これらの発見は、生命の起源や有機化学の研究において重要な貢献を果たしました。
以下の動画は、NASAジェット推進研究所(JPL)の公式YouTubeチャンネルが2017年1月12日に公開した『小型探査機「ホイヘンス」が土星の衛星タイタンに着陸する様子』を描いたものです。この動画は、タイタンの表面に降下する2時間半の間にホイヘンスが収集した実際のデータをもとに作成されています。
動画の終盤、「1:57」頃にはホイヘンスがタイタンに着陸し、手前を黒い影が横切る様子が記録されています。NASAによると、この影は降下中に機体を減速させたパラシュートの影であると説明されています。
【▲ ホイヘンスの着陸シーケンス(Credit: ESA-D. Ducros)】カッシーニ・ホイヘンスとは
カッシーニ(Cassini)は、土星とその環や衛星を詳しく観測するために開発されたNASAの探査機です。全長は6.8mで、地球から遠く離れた土星を探査することから直径4mの高利得アンテナを備え、電源には放射性同位体熱電気転換器(Radioisotope Thermoelectric Generator: RTG)を採用。科学機器としてカメラ、分光計、宇宙塵分析器、磁力計、レーダーなどが搭載されていました。これらの機器類に加えてカッシーニには、濃い大気を有し、生命が存在する可能性も指摘されている土星の衛星タイタンに着陸するESAの着陸機「Huygens(ホイヘンス)」も搭載されていました。
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文/sorae編集部