CDC、新規論文全ての撤回指示 トランプ政権の「審査」優先で

2月2日、米疾病対策センター(CDC、写真)は、内部の研究員が作成に関わり、外部の科学誌で出版が検討されている論文全てについて、トランプ政権による審査を可能にするために撤回するよう指示を出した。2014年9月、アトランタで撮影(2025年 ロイター/Tami Chappell)

[2日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は、内部の研究員が作成に関わり、外部の科学誌で出版が検討されている論文全てについて、トランプ政権による審査を可能にするために撤回するよう指示を出した。連邦政府高官がロイターに明らかにした。

CDCの科学部門トップが1月31日、全部門の責任者に宛てて電子メールで通達した。

政権の審査は、米連邦政府が男性と女性という2つの性別のみを認めるとのトランプ氏の大統領令に反する文言を削除する目的で行われる。

医学メディア、インサイド・メディスン・サブスタックによると、CDCは当初21日に、審査を可能にするためにCDC自らによる論文の発表を一時中止する指令を出していたが、今回の措置はそれを上回るもの。インサイド・メディスンは、審査で削除の対象となるのは「ジェンダー」、「トランスジェンダー」、「LGBT」、「ノンバイナリー(男性にも女性にも当てはまらない性自認)」などの文言だと伝えている。

医学誌AJPHの編集長、アルフレド・モラビア氏は、科学誌が受領済みで未発表の科学論文について「われわれに著作権がある。執筆者はもう変更できない」と述べ、CDCの動きは違法ではないかとの見方を示した。

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