2025年はAGIの実現前夜となるか?:石井敦×山川宏×工藤郁子 鼎談(1)
人工知能(AI)が加速度的に進歩し続けるなか、AGI(汎用人工知能)が現実のものになる可能性が指摘されている。また同時に、AIの知能が人間を超える転換点とされるシンギュラリティの到来に伴うリスクについても、多くの専門家が懸念を示してきた。
こうしたなか注目されたのが、2024年6月にOpenAIの元社員であるレオポルド・アッシェンブレナーが公開した書簡「SITUATIONAL AWARENESS:The Decade Ahead(周辺状況を認識すること:これからの10年に向けて)」だった。この文書でアッシェンブレナーは、2027年までにAIモデルがAI研究者やエンジニアの仕事をこなせるレベルに達する可能性が極めて高く、自律的な学習によってAGIが現実のものになると指摘している。そして米中のAI開発競争が全面戦争につながっていくリスクが高く、安全保障上の問題が懸念されるというのだ。
止まらないAIの進歩